舞台での存在感たるや、「ヨ、座長!」と声かけたくなる貫禄。初めて北翔海莉さんを見る方大勢いたと思うけど、すごいなあと、思われるでしょう。歌って良し、踊って良し、殺陣も豪快、長い棒をくるくる振り回したり、扇をさっと背後に投げたり、かっこよい。歌は高音低音自由自在で、信者従えてのデロリスみたいなゴスペルが盛り上がりましたね。その抜群の力量は宝塚ファンとして、鼻高いです。
作品は宝塚の大階段を、三角形に切ったみたいな大道具が回り舞台を使って、縦横無尽に舞台で動いて、スペクタクル感いっぱい。
出演者も色んなジャンルの方が出ていて、坂元健児さんや、私始めてでしたが四季出身雅原愛さん達、コーラスの方々もたくさんいて歌のレベル高いし、趣向も色々で、殺陣も豪快、ラップやジャズ様々賑やかで、混成カンパニーの面白がありました。
しかし、脚本が手薄なのですね。ドラマ性が薄いので、歌やダンスで盛り上げても、なんか、胸にしっくりこない。それぞれのキャラクターが書き込まれていないので、阿国さんて、どんな人か分らなくって、共感性がなかなか持てない。公家さんだの、連れ合いさん(夫だったとは最後で分ったりして)とかいても、関係性がが良く理解できないのですね。お話の要は芸道物語なのですが、京極高次とか、世阿弥みたいな人とかたくさん出てきて、混乱するのだわ。
この作品の最大のドラマは、二人のおくにの対立であり、対称性なのです。なのに、ライバルにならない。誰の目にもレベル違いすぎるのです。
体格からして10センチ以上違うし、気の毒になりました。キャスティングした人に怒り覚えました。それぞれの芸の道を競いあい高め合うところが醍醐味の物語なのに、最初から勝負にならないので、作品として成り立つわけがない。
彼女自体はチャーミングだし、歌も元気いっぱいで可愛らしいので、他の作品なら生かせるのにと思いました。
宙組で北翔さんと一緒だった鳳翔大さんや、カルロッタの桜一花さんが出ていて、お二人とも退団後初めて拝見。鳳翔さんは阿国一座の女優なのに、途中から刀差して立ち回りしていて、カッコよかったし、一花さんも、芸人一家の母親で出ていて達者な存在感でした。
いろいろ書いちゃったけれど、舞台は弾んでいて楽しかったですよ。出演者のエネルギーに元気もらえます。