「メアリースチュアート」と言う戯曲があって、作家はダーチャマライーニ、フェミニズム文学の傑作だと思うのです。

 麻実れいさんと、白石加代子さんで上演されました。演出宮本亜門、1990年、1993年、1996年と、三回上演されていて、全部見て居るのだけれど。最初はベニサンだったけかな、東京芸術劇場と、ラストは本多劇場だった。最近(他の女優さんでも2回ほど上演されてはいますが)

 

 二人芝居で全くタイプの違う演技で丁々発止とやり合うのが凄かった。。早稲田小劇場退団した直後の第一作で、鋼鉄の演技の白石さん。宝塚退団後5年目ののターコさん。演技の方向が全く違う、それをわかっての演出でした。そして、再演ごとに二人の演技が変わっていくのでした。スリリングでした。初演は、ワタシ的には水と油で、はじきあってい過ぎかなとかの感じだったのだけれど、三回目は見事に融合していて、スリリングな演劇t体験。今考えれば贅沢な二人芝居で、今の方から言えば、幻の名舞台でしょう。。

 

 それぞれ、メアリーとケネディ、エリザベスとナニーという、女王と侍女と言う組み合わせで語られていく。スコットランドと、イングランドと王家をそれぞれに背負いながら、カトリックとプロテスタントの相反する立場で、王位継承をめぐって権力争いするのだけれど、結婚しないで、男を利用しながら、王権をたもつメアリー、男に飲み込まれて死刑になってしまうメアリー、それでも、二人はいがみ合ったり、足を引っ張り合いしないし毅然とした姿でえがかれていた。

 

 その舞台の鮮烈な思いがあるので、この映画の描かれ方は辛かった。男どもにボロボロにされてしまう、メアリーが哀れだし、メアリーに対して、美しさと、大胆さ、と、子供を産まなかったことに対して、嫉妬心を抱いていると描かれるエリザベス、天然痘で、あばたになったエリザベス。女性監督だからそれ程醜くはしてないけど、男性監督だったらとか考えると恐ろしい。

 凄く歴史に忠実に描かれていると思います。私、当時いろいろ関係書を読んだのですが、暗殺された夫が同性愛者とは意外でしたね。

 

 隅々までリアルで、衣装、メイク、美術、スコットランドの雄大で荒涼とした荒野の撮影も見事でした。ですが、メアリーを陥れる、イングランドの陰謀とか裏で通じ合っているスコットランドの貴族の関係とか、分りにくかった。最後の方で史実とは違って会いまみえるのだけれど、二人のお互いへの思いがこれまた分りにくい。リアルな余りにレイプとか、生々しくって辛いし、集客のためのエロ場面かと、思ってしまうし。リアルは両刃の剣になる。

 オーソドックスな歴史劇で、正攻法過ぎて、重い。センスに欠けるのですね。「女王陛下のお気に入り」の手際の良さ、技ありの映画見てしまうと、お金も、人も同じくらいかけているのにねと、思ってしまうけど。秀作であります。