謎めいた、何か不穏な空気が漂う恐ろしげな雰囲気に包まれてお話は進んで行く。ついつい次はどうなるんだろうと引き込まれていく。

 

この怪しさを醸し出す源は、家政婦頭、男性ならば、お屋敷全体を管理する執事の様な役割を担うダンバース夫人。彼女は大金持ちの跡取り男マキシムの亡くなった妻,レベッカに仕えていた乳母の様な中年夫人。

 

彼女の存在が怖いのです。彼女自体は事件の核心にはいないのに、舞台の雰囲気を支配している。その中心は、異常なまでの亡くなった女主人レベッカへの愛の形を取った執着心。この人物がいなければ、この舞台は気の抜けたビール。

 

 その役を担ったのは、Wキャストの保坂知寿さん、「エリザベート」のリーバイさんとクンツエさんの楽曲を圧倒的な歌唱力で歌って舞台を席巻していました。出てくる度に恐ろしい。主人公のわたしと共に見て居る方もすくんでしまうほど。

 

 10年前の初演も見たんですけど、細部はすっかり飛んで、覚えていたのはシルビアグラブさんがこの役を演じて、すごかったなあと言う思いのみ。

 

やはり、ミュージカルには強い声が必要なんだわ。そして、他の方々も粒よりの歌い手、役者振り、それぞれに歌と見せ場があって、見ごたえ十分。

 山口祐一郎さんはお声は少々減退しても、やはり、魅力的なスター、大塚千弘さんは、10年前と変わらず可憐で、吉野圭吾さんは美貌としたたかな俗物を上手く演じて、初代カルロッタの出雲綾さんは、明朗な歌唱で素敵でした。

 

嫌味なアメリカ人富豪の森公美子さんは初めて舞台姿を拝見しました。思いの外小柄で驚きマシた、もちろん上へのサイズ。幅はテレヴィよりもマル〇でしたが、歌唱は圧倒的で、コミカルな演技も堂に行ったもので、「天使のラブソング」のデロリスの主演を続けるのもさもありなんと、納得でした。