三軒茶屋太子堂八幡神社の祭礼に合わせて、ひょっこり登場した一夜限りの乞食芝居、河原乞食そのままに、幕末お江戸の貧乏長屋に住まいする可笑しい人間たちの可笑しいお芝居が演じられた。


 役者は汚く、胡散臭く、演じられるお芝居も、なんだか、糞尿譚ぽく、母親ものだかなんだか、よく分らなく展開する。

 客席は青いビニールシート、もったいなくも提灯まばゆい神社の本殿を少しばかり借景にして、黒い幕を背にして、役者が奮闘する。上手には発光ヨーヨー―を手にする子供が目にはいり、あろうことか、芝居中に舞台を横切った。周りはさんざめく屋台で、ビール飲む人の会話がごそごそ。頭の上は

雨上がりの黒い空、ぬめっと湿度が高く、暑いのだか寒いのだかわからない。


 もってこいの雰囲気の野外芝居なのに、生かせていないのがもの凄く残念。ざわつく環境で、声の通らないのは辛い。もっと、動いて歌って、乱痴気騒ぎを見たかったな。