このミステリー小説は三部作で、Ⅰは映画化された「ドラゴンタトウの女」なんだけれど、映画を先に見て失敗でした。映画と小説がいっしょにあるなら、やはり、小説を先行すべきであると、なおさらに、思いました。
小説の醍醐味は頭の中で人物をイメージすることなのに、主人公のミカエルが、映画のリチャードギアになっちゃうのです。リチャードギアは、キャスティングとしては、あっていると思いますが。
この小説のもうひとりの主人公、リスベット サランデルは、自分のイメージで、作りたかった。映画では、イメージが違う、猪口才な女優では造形できないくらい、偉大なのですよ。リスベットは。
何しろ、このヒロイン、メチャクチャにカッコいいんです。外見ではなく、人物が。小説が生んだスーパーヒロインとして、長く語り継がれる存在だと思います。
外見は綺麗な訳ではない、150㎝くらいで、がりがりに痩せているし、なにしろ愛想が悪くって、人嫌い。どうして、そうなのかは、小説で明らかになるのですけどね。
知能が低くて、攻撃的で情緒不安定と言うことで、精神病院に入れられてたりするのですが、本当は、見たものを記憶できたり、フェルマーの定理を考えるのが趣味だったり、、ハッカーとして、最高水準にあるのです。不屈の精神、降りかかる火の粉は全部一人で解決する孤独のファイター。物語の中で、だんだんに彼女の生い立ちが明らかになっていきながら、事件の背景が、見えてくるそのスリリングさったら、もうドキドキしてしまう。
この小説は、作者がジャーナリストであることから、ミステリーでありながら、ジャーナリストの有り方、国家と法律、正義をテーマにして、社会悪と戦うのです。おまけにフェミニストでもあって、女性が活躍する。刑事、編集者、弁護士、もちろん、天才ハッカー、リスベットサランデルは言うまでもないこと。
なのしろ、次はどうなるか、気になって、どんどん読み進むのですが、残りページが少なくなると、終わってしまう悲しみが襲ってくるという小説。リスベットとお別れするのが寂しかった。