なんたって、主人公のジョージ・ヴァレンチンを演じたジャン・デュジャルダンが素敵です。


 上背のある貫禄ある姿、きっちり整えられた髪、口髭、その満面の笑みに殺られてしまいます。気障で、大時代の雰囲気が正に、無声映画の大スターそのものです。

 この大スターの姿が作られただけで、この映画の半分は成功したようなもの。主演男優賞は掛け値なしの当然の受賞でしょうねえ。


 お話は、全くステレオタイプそのもの。でも、それが古い映画の雰囲気を伝えてくれます。

中年の大スターが、女優の卵と、知り合い、惹かれあうが、男は時代の波に乗れず零落していき、女はスターになっていく。チャップリンの「ライムライト」のような感じ。

 でも、あちらは悲劇で終わるけど、こちらはhappyend.それがいいんですねえ。お話は、深刻にならず、軽いタッチで、可笑しみを含んで進みます。この作品は映画へのオマージュになっていて、一緒の祝祭気分で作られているのです。だから、ラストはハッピーでなければいけないのですわ。

 


 当時の撮影スタジオ雰囲気、髪型、お化粧、ファッション、凝っていて、見ているだけで楽しくなります。

  すてきなショットもいっぱいで、見ていて嬉しくなります。特に好きなのが、ここ。

 ジョージに恋心を抱くペピーが、彼の楽屋に入ると、誰もいない。彼の上着がかかっているのを目にすると、袖に手を通して、ひとりラブシーンを演じるところ。このシーンは、語り草になるくらいの名場面。どうやって、考えたのだろう、どこかにお手本があるのかな。


 映画好きの方は必見です。スコセッシさんの、「ヒューゴの不思議な発明」と同じ世界を描いて、どちらも映画への愛に満ちています。

 そして、ワンちゃん好きの方も必見です。ワンちゃんも賞を頂いたくらい大活躍でした。