ロミーシュナイダー主演のドイツ映画「プリンセスシシー」ずっと見てみたいと思って果たせなかったのですが、今日、NHK BSで放送されましたねえ。うれしかったす。この映画があったればこそ、リーバイさんたちはミュージカル化を思い立ったんだと推測されます。

 オーストリア皇帝、フランツヨーゼフと結婚するまでの、エリザベートを描いたもの。16歳というには少し幼い野生児そのものの、エリザベートが描かれます。ミュージカル「エリザベート」でコムちゃんが演じるシシーと姿が重なって、胸がいっぱいになってしまいました。

 ロミーシュナイダーは面差しが本物のエリザベートに似ているのですね、顎の線なんかくりそつです。身長が足りないととは思うものの、スタイルは抜群です。

 映画は微笑ましいコメディタッチ、ですが、しっかり構成されていて究極のシンデレラストーリーとして楽しめます。思いがけず姉の婚約者に見初められてしまった、おてんば娘の戸惑いと、乙女心が過不足なく描かれています。パパのマックスが素敵です。家族も貴族の一家なのに自由で楽しそう。

 ヨーロッパ一の大帝国の皇后になって、心身ともに蝕まれていく、エリザベートの行く末をを知っているが故に「だめよ、シシー、フランツヨーゼフを愛してはダメよ」と映画を見ながらつぶやいてしまった。シシーの自由で溌剌とした姿が描かれれば描かれるほど、未来のエリザベートがかわいそうでならない、運命の皮肉を思いました。