朝鮮民主主義人民共和国というギャグのような名前を持つ国は、現在国内及び隣接国との間にて紛争状態にはなく(実態として)、かつ近隣の各国にも紛争地域は見当たらず、にもかかわらず国民全体を飢えさせていると言う、よく考えたら奇跡的なまでにデタラメなことをしている国として知らない人はいませんが、ではなぜ北朝鮮の食糧事情はそんなに悪いのか。
まず経済政策、外交政策、世界情勢の変化などもろもろの事情で食糧の輸入がほとんどできないこと(外貨がない、売ってくれる国がない、ソ連崩壊で援助してくれる国もない)、それに加えて主体農法と呼ばれる農業政策が大失敗して国内自給の道すらほとんど絶たれているからです。
主体(チュチェ)農法とは、要するに将軍様の考えどおりに農業を行えと言うようなもので、机上の空論の典型例みたいなものです。農民の経験も科学的理論も技術も無視して思いつきと願望のみを基にした指導がうまくいくはずもなく、当然のように大失敗のすえ北朝鮮国内の農地は現在まで文字通り荒廃しきっています。
せっかく日本が統治時代に植林した木は材木にするため全て切り取られ、禿山になった山に治水を無視した田や畑を作り、おかげで大雨で表土が流れ去るなどちょっとした気象変化に甚大な影響を受けるようになりました。
また肥料計画なども滅茶苦茶で、ソ連が存在した頃は支援してもらっていたので化学肥料をやりすぎ、支援がなくなったらなくなったでみんな大好き有機農法に転換しましたがどうせ家畜などもいるはずもなく、単に肥料をやらなくなったか、または堆肥化していない人糞でも撒いたかした程度でしょうから効果などあるはずもなく(糞尿は堆肥化しない限り、いくら撒いても逆に有害になるゴミです)、もちろん農薬も無いので、日本では有効な農薬使用でとっくの昔に克服した病害虫に散々やられたりしています。
というようなことを詳しく書かなくても、北朝鮮の農業など問題外だ、てことはだいたい誰でもわかってもらえると思うのですが、世の中は広くて意外な見識を持つ人もいるものです。
私の山びこ学校:昔こんな教育があった/231 朝日友好協会…=佐藤藤三郎 /山形
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20090818ddlk06070053000c.html
◆朝日友好協会の席に出て
◇自助努力の国がなぜ 広く深く知りたいと思う
「朝日友好協会」の会合に招かれた。そのような会があることは知っていたがその会とは格別なかかわりはなかったし、もちろん会員にもなっていない。がSさんからのたっての声がけがあったことと、核問題や拉致問題には関心がなくはないので、それらの問題の本質を少しでも深く知ることができれば、と思って出かけていった。
以前私は在日朝鮮人やその二世たちなどによってつくられている在日本朝鮮人総聯合会というところで発行している「朝鮮新報」という新聞に「山あいの村から」というタイトルで一か月に一回コラムの執筆の依頼を受けて書いたことがあるので、いささかながらそのことでかかわったことがある。最初は半年間、六回という約束であったが、文化面の担当デスクの朴さんから「読者からの反応が強いので」といわれ一年半つまり十八回ほどそのコラムに記事を書いた。それでこうした組織があることをその時以来知ってはいたが、北朝鮮が昨今ある意味で世界的な注視の的になっているのはどうしてなのか、とその理由がその会合に出席すればくわしく知ることができるであろうと思って出かけて行った。
先のようなわけについては東京の本部の方が来られて一時間ほどにわたって講演してくれたが、耳が遠くなった私には十分にその内容を聞きとることが出来ず深く理解することができなかったが大まかにいえば問題を起こしている根源はアメリカのブッシュ政権の強烈な世界経済支配と日米などの同盟国としての活動が朝鮮という国を正しく理解していないということ。またそのために朝鮮が所持している核の兵器の問題や拉致問題も一方的に報道されていて朝鮮という国の真の考え方や、姿勢が正しく世界に伝えられていないといっておられたようだった。
しかしそのような程度の話だけでは、真相が深く理解できない。他の人の情報によればソビエト連邦が崩壊して以来、その方との経済交流が弱くなったのが国内の経済を苦しめている、といっているのを聞いたことがある。そのように種々の事情があるにせよ、私の頭にある北朝鮮観は今は故人となった天童市出身で東京教育大学総合農学研究室教授であられた菱沼達也先生がいわれていた「日本は北朝鮮の農業に学ぶべし」だ。
その当時日本の農水省は「農業改善事業」というのを盛んに進めていた。具体的には水田の基盤整備である。大型機械の利用ができる水田にするために一枚の水田面積を長さ百メートル、幅三十メートルつまり三十アールに整理して米作の労働力を削減し、米価のコストダウンをはかると共に就農者の数を減らしてそれを商工業にまわす。そのことによって日本の経済力を高める、といった政策である。菱沼先生はそれには反対だった。日本の農業は自然的、社会的な立地条件からしてアメリカのような大規模農業を企てるのではなくして小規模な「家族経営」でいくべきだ、というのが持論だった。そしてそのような小規模農業で食料の「自給力」をつける国にするために頑張っているのが北朝鮮であるから日本の農業はそれを学ぶべき、と説かれていた。
そうした自助努力でもって国づくりに励んでいた国がなぜにいまいろいろな面で世界に、いや日本に大きな問題を投げかけているのかと思うと無念な思いにかられる。そしてそんな思いを晴らすために私はもっともっと広く深く朝鮮という国を知る必要を感じ訪朝してみたいとさえも思っている。
最初に断っておきますがこの記事は朝鮮日報のものではなく、日本のタブロイド紙の記事です。
菱沼教授ってのがどういう人か全く知りませんが、北朝鮮の農業は昔から問題外です。まあ昔は北朝鮮を地上の楽園だと本気で信じていた人もそれなりにいたそうで、そもそも北朝鮮の国内事情・農業事情について今ほど知れ渡っていたわけでもないでしょうし故人をどうこう言うのはやめにします。ついでですが、菱沼教授がこんなことを言っていたのがいつなのかも知りませんが、東京教育大学は1973年に筑波大学に統合されていますので、最低でもそれ以前の話と言うことになるでしょう。
んが、このタブロイド紙の記者・佐藤藤三郎氏は現代においてなおこんなことを言っているわけで、さすがタブロイド紙の面目躍如とうならされる人材です。文章自体もよく読むとひどく、プロの物書きとは思えません。
訪朝される日を心待ちにしております。