ドイツは先週末3月29日(金)から昨日4月1日(月)までイースターホリデイで
お休みでした。
我が家は当初予定していた遠出の旅行が諸事情で延期になったため、
このイースターにはとくに出かける予定もなくなってしまい、
家でゴロゴロするはずだったのですが、
それも退屈なので急遽、近場に1泊で出かけることにしました。
ドイツ南西の街トリーアと、そこから車で30分ほどのお隣の国ルクセンブルクへ。
トリーアは、日本ではあまり有名な観光地ではありませんが、
2000年の歴史を持つドイツ最古の町と言われていて、
ローマ時代の遺跡が数多く残る、ドイツではとても重要な町の一つです。
それほど観光地化されていないこじんまりとした小さな町なので
1日あれば徒歩で十分に散策できます。
(フランクフルトや、ライン川下りの拠点コブレンツ等からも日帰りできます。)
また、ライン・フランケン・バーデンと並ぶドイツ4大ワイン産地のひとつ、
モーゼルワインの産地としても有名で、ワイン好きの方にもおすすめ。
そんなトリーアへは我が家から車で3時間ほどの旅。
高速のサービスエリアで朝マックをしていざ出発。

おそらくドイツ限定の、ドイツパン「カイザーゼンメル」を使った朝マック。
マックには普段ほとんど行きませんが、これだけは好き!
お昼にトリーアへ到着し、まずは今夜の宿にチェックイン。

非常にこじんまりとした家族経営のチープなプチホテルでしたが、
これがなかなか当たり。(あとで書きますね)
市街地からは歩いて20分ほどと少し離れていましたが、
モーゼル川に面したとてものどかな場所にあり、地元の空気も感じられました。
チェックインの後はとりあえず、目の前のモーゼル川へお散歩です。
毎日見ている流れの速いライン川とは正反対に、とても流れの静かなモーゼル川。

時が止まっているかのよう。

休日だったこともあり、歩いている人も少なく、絵の中にいるようです。

静かですなぁ~。
お散歩でグッタリ疲れた犬たちをホテルの部屋に寝かせて、
大人二人はトリーアの市街地へ。
簡単に広場のインビス(屋台)でお昼を済ませたあとに素敵なものを発見。

どこの町の広場でもよく見かける「ドリンクスタンド」です。
デュッセルドルフのスタンドは、地元のビール「アルトビール」が飲めるスタンドですが、
ここはトリーア、モーゼルワインの名産地。

じゃーん。ワインスタンドでしたぁ~。
グラスワインで3ユーロくらいから。
グループで、ボトルで注文している人もいましたよ。
散策の途中にワインで休憩なんて、ス・テ・キ。
おなかと心が満たされたところでいよいよ街歩きです。
広場を中心として、半径数100メートルのなかに、世界遺産である
「ポルタ・ニグラ」(城門)と、大聖堂、聖母教会の3つがあります。
まずはポルタ・ニグラ。

なんと2世紀後半に造られたという非常に古い城門。同時に街を取り囲む城壁も
ぐるっとあったそうですが、現在残っているのはこの門だけ。
ものすごーい存在感です。幾多の戦禍を免れ、どっしりとこの町を見守ってきた貫禄。
「長老さま!」という雰囲気がある門でした。
そのあとはまた広場から少し歩いて大聖堂と聖母教会へ。

写真左側が大聖堂、右側にくっついている小さいのが聖母教会。
いずれもドイツ最古の大聖堂・最古のゴシック様式の教会だということです。
大聖堂は4世紀に建てられてから何度も破壊され、再建され、を繰り返し、
今のようにいろいろな様式がミックスされた形になったそうです。
残念ながら、見学時にはミサが行われていて、中を撮影することは
出来ませんでした。
となりの聖母教会はじっくり見学。

ドイツでたくさんの教会を見てきましたが、この教会のステンドグラスは特に好みでした。
いままで、ガラスの色合いや窓の形など、ステキと思ったものはあったけれど、
絵が美しいなぁと、絵画を見るように見入ってしまったのは初めて。
この聖母教会をきっかけに、ステンドグラスにますます興味がわいてきました。
聖母教会のあとは、市街地の外れまで歩いて、4世紀に建てられた皇帝の大浴場、
カイザーテルメンへ。

ここはかの有名なローマのカラカラ浴場、ディオクレティアヌス帝の大浴場と並ぶ
3大浴場のひとつだそうです。

ローマまで行かなくても、こうした大規模な遺跡がドイツで見られるとは知りませんでした。
ドイツというと古城や教会めぐりばかりの観光になりがちですが、
こういう場所を訪れてみるのも意外な感じがしておもしろいです。
日が暮れる前にホテルに戻り、夕食へ。
このホテルが気に入った理由の一つが1階にあるレストラン。
実はここのホテル、行ってから知ったのですが、経営者ファミリーが
ブルガリア出身の方だったようで、レストランにも珍しいブルガリア料理が。
いまさら旅先でドイツ料理を食べる気にならない私たちにとっては
とても嬉しいレストラン。

前菜は、パプリカ、ペパロニ、マッシュルームを焼いたものと、
パン粉をつけて焼いたフェタチーズ。(ヤギチーズ)
ブルガリアはギリシャやトルコと接している土地柄、そちらの料理に似た雰囲気で
フェタチーズを使ったものや、串に刺して焼いたりする料理が多いよう。

メインはひき肉を棒状にして焼いたもの。付け合せの赤いソースはトマトではなく
パプリカのペーストのようで、すこし苦みがあるけど爽やかでお肉との相性がいい。
手前のDjuvecreisというお米料理はトマトリゾットのような感じで、これまたおいしい。
大量のポメス(フライドポテト)はドイツ人向けのアレンジかな?
でも、全体的にアッサリしていて味付けもドイツ料理のように濃くなく、
余裕で完食! ごちそうさまでした。
レストランを切り盛りしていたオーナーさん家族も親切でいい感じでした。
ホテルのお部屋も、建物自体はとても古いけれど清潔感があって
横になって寝られるくらい大きなバスタブのついたお風呂もあって
コストパフォーマンス最高でした。

独立した広いバスタブ付はドイツではなかなか珍しい。
バスルームのタイルの雰囲気もちょっと和風で、「友達のうちのお風呂を借りた」ような
感じがしました。笑
しかも、チープなホテルでありながら、犬の宿泊追加料金なしだったのも
犬連れにはうれしいところ。(追加料金を取られるところも多いのです)
またトリーアを訪れた際にはぜひお世話になりたいホテルです。
翌日はここから車で30分の隣国ルクセンブルクへ初入国します。
(後編へ続きます)