ベルリン旅行(6)ザクセンハウゼン強制収容所 | ドイツ・メアブッシュにて☆2人と2匹で暮らすドイツ

ドイツ・メアブッシュにて☆2人と2匹で暮らすドイツ

2012年3月末、
旦那様の転勤でチワワ2匹を連れて神奈川県から
ドイツ・メアブッシュ市へ引っ越してきました。
初の海外生活でわからないことだらけで
ドキドキの毎日です。。。
日々の珍道中、犬のことなど綴っていきます。

 ベルリン4日目。前半戦。

5日目は帰るだけなので、実質本日が最終日です。

最終日は朝早くにホテルを出発して、

ベルリンの中心から30km、電車で約45分の

オラニエンブルクという街まで出かけました。

ドイツの歴史を巡る旅をテーマに、

博物館やベルリンの壁にまつわる場所を中心にまわった今回。

ドイツの歴史と言えば忘れてはいけないナチスの時代。

その大きな傷跡をたしかめるために、ザクセンハウゼン強制収容所へ・・・


ベルリン観光に来ても、時間を作らなければ、

なかなか訪れることのない場所。

でも、先に言ってしまうと、余裕があるなら是非出掛けてみて欲しい

場所でした。

本当に行ってよかったし、この旅で一番印象深い場所になりました。



オラニエンブルクの駅から、徒歩20分。

駅からバスも出ているけど1時間に1本しかない。

歩いたほうが早いので、静かな住宅街を進んでいきます。



雲ひとつない快晴。それが余計に悲しい気分にさせます。

朝一番に訪れたため、ほかの見学者はほとんど居ませんでした。


ザクセンハウゼン強制収容所は、1936年に建てられ、

1945年までの間に10万人以上のユダヤ人が犠牲になりました。

政治犯やジプシーなどを含めると、20カ国20万人以上がこの収容所に

送られてきたとのこと。

 
鉄製の門扉には、ARBEIT MACHT FREI(労働すれば自由になれる)。

ナチスの強制収容所に掲げられた共通の標語です。

これを信じて過酷な強制労働に耐えていたんでしょうね。


広大な敷地には、建物はほとんど残っていません。

ぽつりぽつりと、居住棟や労働棟などが残され、

そのひとつひとつが資料館になっています。

 
ユダヤ人の居住棟。

 
中には、簡素なトイレや、お風呂と呼べないほど小さな「水浴び場」、

何段にも重なった小さなベッド(体を丸めないと寝られない大きさ)などが

当時のまま展示されています。

外はあんなに明るく暖かいのに、バラックのなかは薄暗くひんやりしていました。


 
 政治犯が収容されていた独房のなかです。

 
 今は明るいですが、当時は窓は塞がれ、光は見えませんでした。

ここで亡くなった兵士の写真とお花が置かれている部屋も

たくさんありました。


  
後ろ手に縛り上げられ、拷問を受けた場所。

 
 中央には記念碑が建てられています。

オレンジの逆三角は政治犯を示す識別マークだそうです。

 
 「Station Z」と呼ばれる”処理施設”。

手前側には火葬のための薪置き場と銃殺所があります。


Station Zを奥まで入っていくと大きな屋根つきの建物があります。

入り口の記念碑。各国の国旗やお花が手向けられていました。


 
 
 火葬場と、ガス室のあった場所。

 
死体の処理の様子を描いたイラスト。


 
外はこんなにきれいな空なのに。

どんどん気分が落ち込んでくる。

カラッカラの快晴なのに、空気が重くて苦しい・・・


最後に見学した棟がさらに極めつけ。
 
外から見ただけでは何の変哲もない小さな建物。

 
中は、人体実験が行われていた手術台が並んでいます。

Kさん撮影。

さすがに私は気持ちが悪くなり、カメラを向けられませんでした。

 
棟の地下へと下りる階段。

この下は遺体安置所です。

いや、そんなきれいなもんじゃない。「死体置き場」。

最初知らずに降りてしまって、中に入った。

でも、尋常じゃない寒さ(涼しいなんてもんじゃない)と、

異様な空気感があって、すぐにそれとわかった。

カメラを向けることはおろか、立っていることすら出来ずに、

数10秒ですぐに出てきた。

「ここイヤだ、寒い、出よう出よう・・・」

真っ暗でなにもない空間に折り重なるようにおかれていたんだろう。

そしてさっきの写真の階段から、台車に乗せられて、Station Zまで

運ばれたんだろうな・・・




強制収容所の見学はしんどい。

本当にしんどくて、体が、心が、ギュっとなる。

だけど、行ってよかった。この目で見てよかった。

ドイツに住んでいなかったら、わざわざ日本から、こんなしんどいものを

見るために出かけて来ることは絶対なかった。


負の歴史を知ることも、この国をもっと好きになるために

大事なことなんだ。


これからも機会があれば、訪れて行きたいと思います。

でも、もう、当分はいいかな・・・


午後は気持ちを切り替えて、アートを見に行きます。

・・・つづく。