百合中毒/井上荒野
帯より
25年ぶりに父親が戻ってきた。
イタリア人の若い女と恋仲になり、家族を捨てて出ていった男が。
娘たちは大人になり、妻にはすでに恋人がいるというのに
愛を問い直す長編小説
井上荒野ワールド全開!!
好きだなー
初めて井上荒野さんの名前を目にした時
荒野?こうや?あれの?本名?変な名前
男性?女性?
失礼な感想を抱いたものだった
たしか小説を読み終わっても性別はわからなかった記憶
しばらく男性だと思い込んだままだったかも
はじめに読んだ本、何だったかなー
荒野だなんて、なんて親だ!
とおせっかいにも思ったけど、当の井上さんは
「荒野」について「長年かけて折り合ってきたこともあり、今は気に入っている
のだそうで
また、こちらではこのように
「荒野」は父がつけた本名。〈この名前の最大の弊害は、「平凡な人生は似合わない」ということだ〉という
https://www.yurindo.co.jp/yurin/23491/3
百合中毒とは関係ないけど
映画も見に行った
「あちらにいる鬼」
寺島しのぶさんも好きだし
広末涼子さんも好きだけど
井上荒野さんにとてもとても興味があって
寂聴さんにも興味があって
え、寂聴さん、え、お父さん、え、荒野さん、え、え、
はじめて知ってオロオロしつつも
これは絶対映画館で!と観に行ったのだった
映画の話はまた別途
◇以下、ネタバレします
歌子は緩く握り返してきて、厚志は体中の血が湯になったような感じがした
厚志がななかまど園芸に来て5年余りのロマンチックな記憶
厚志30代、8歳上の歌子もまだ40代
数日前に自分の気持ちを伝えていた厚志にとって、歌子からの愛の告白に思えた
エリゲロンの白とピンクの小花の中で、思わず歌子の手を握った厚志
「まあ、そうかもしれないわね。あんまりひとに言いたくないことよね、きっと」
美咲がそうまとめたので、典明は心の中で溜息を吐いた。
あんまりひとに言いたくないこと。今度は妻のその言葉に囚われながら、
「さて、どこへ行こうか」
と話題を変えた。
言葉に囚われる
囚われながら話題を変える
苦情を言いにきた男女とか
ポット苗泥棒とか
ペンを落として行き先を決めたゲイの男とか
要るのか?というような出来事が起こりつつも
粛々とそれぞれの時間は過ぎていく
気まずい、気まずい、実にいたたまれない時間
父親と母親のことを家族の誰かと話すとき、どう話しても「ちゃんと話してない」気持ちになるのはなぜだろうと真希は思う。
ちゃんと話してない気持ち
女たちは勝手に喋りはじめた。そういう会話で、向かいの席の田舎者に拒絶の意思を伝えているのだろう。真希は突然、疲れを感じた。なんで私はこんなところにいるんだろうと思った。
勝手に喋り始めることで拒絶をアピール
言語化されるとよくわかるシチュエーション
そして疲れを感じるという
親近感、そして好感
百合中毒のサイト
装画/三宅榴人
装幀/大久保伸子
帯を外すと
表紙を外すと
中を開くと
塗り絵したくなるすてきな絵






