海の見える理髪店/荻原浩 | VIKI(びき)のブログ

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海の見える理髪店/荻原浩

 

 

 

「ほっとしてます。肩の荷がおりたような。」

 

第155回直木賞を受賞された荻原さんが

会見でおっしゃったことば。

 

 

とても自然で好感度抜群!!です。

作家としても20年のベテランで、受賞の前にちょうど還暦を迎えられたということで、

ダブルで!

おめでとうございます!!

 

前にも書きましたが、、、

 

 

 

 

海の見える理髪店

6つの短編集なのですが、

 

 

 

短編というのは、お風呂で読むのにもちょうどいいし、

それはそれで魅力あるジャンルなのだけど、

 

そう、荻原さんの短編も

「ちょいな人々」とか他にもいろいろいいのあるし

 

ただ、どうしても人物像を探る作業をしているうちに物語が終わってしまって、どっぷり浸かるというわけにはいかないのが難点。

 

 

 

 

いい話であっても、熱量をもって読めない。

 

 

 

 

今さらですが、やっぱり、

荻原さん、なんでこの作品で直木賞なんだろう、、、

直木賞はうれしいのだけど。

荻原さんなら他にもいっぱいいい作品あるのにね。

熱量のあるのが。

 

 

 

 

短編6作品のうちでは、

「いつか来た道」 

「成人式」が心に残りました。

 

 

 

 

 

海の見える理髪店

 

(理髪店の店主(80代)がお客である主人公僕に語る)

 

たくさんの方にお会いして、お話をいろいろ伺って、

人間を磨いてきたふうなことを申しましたが、じつは私、

ちっとも磨かれちゃあいなかったんですね。

理容椅子じゃなく、自分が座る椅子が欲しくて、

芸術家の卵を気取ってたガキの頃から、なんにも変わっちゃいませんでした。

きっと私はなんでも鏡越しに見ていたんだと思います。

真正面から向き合うとつらいから。

 

 

 

 

 

いつか来た道

 

いわゆる毒母とその娘の話。

こんなふうに、荻原さんが書くとせつない。

ほろ苦い。

 

 

後悔と、

そうしかできなかった、逃れられない宿命。

 

 

娘の仕返しも、痴呆の母には響かない。

母の抱えたハリネズミを、

娘もまた胸の内に飼っている。

 

 

 

 

 

成人式

 

はじめの3ページで描かれる4才児の女の子の描写、

これがリアル。

受賞会見で、娘さんに

「私じゃないとちゃんと言っといて」

とよく言われるとのことでしたが

 

 

これは、娘さんのことでしょー

親バカ具合もバカ親具合も、細かい描写のひとつひとつに子どもへの愛しい思いを感じます。

 

 

そしてもう4ページ目には涙を誘う。

 

 

 

夫婦仲が悪いとは思わないが、私たちの会話は少ない。

よけいなことを喋りすぎると、思わぬ時に、過去のなにがしかの記憶の蓋が開いてしまう。

それが怖いのだ。

 

 

 

美絵子がため息を吐く。

”フローラ”は行きつけの美容院の名だ。

美絵子のため息は聞きすぎるほど聞いてきたから、私にはわかった。

いまのため息が、いつもと違って、ちょっと弾んでいることに。

 

 

うーん、もやもやする。

こういうの、「弾んでいる」 で終わらせないで、

弾んでいるように見せかけているのかもしれない。

美絵子自身も。

という解釈ができる余地を残してくれた方が、すんなり受け入れられるんだけどな。

 

 

 

 

「なんか言ったか?}

内心ではチキンハートを震わせていたのだが、私は凄みを利かせた表情をつくって眼を飛ばした。

二人はすみやかに目を逸らした。

美絵子が私の袖を引っぱって言う。

「やめなさいよ」

もっとやって、とけしかけるように。

 

 

このくだりも違和感なのです。

これは予定調和では。

 

 

そして

悲しみをさらっと書こうとしないでほしい、、、

 

 

 

 

 

 

以下、直木賞選考委員の方々の評言のうち、

うんうん、そうだよねーと賛同した箇所を赤字にして紹介いたします。

 

 

 

宮城谷昌光さん

「私は氏のほかの候補作品よりもその作品(引用者注:『あの日にドライブ』)に愛着があるがゆえに、新しい目で氏の作品を正視できない弊習のなかにいるのかもしれない。今回の『海の見える理髪店』は、つくりものの気配が濃厚に残っているため、小説世界に素直にはいってゆけない。それでもこの短編集はテーマの流用などはなく、その誠実さには好感がもてる。」

 

 

 

 

高村薫さん

「熟練の手で紡がれる物語はどれも少しあざとく、予定調和的ではあるが、私たちのさりげない日常は、こうして切り取られることによって初めて「人生」になるのだと気づかされる。これぞ小説の一つの典型ではあるだろう。」

 

 

 

 

林真理子さん

「さすがベテランらしく、文章力、構成力、すべてがいきとどいている。しかし私としては、いささかもの足りない思いがあった。」「「荻原さんなら、このレベルのものはいくらでも書けるだろう」

 

 

 

 

宮部みゆきさん

個人的には、こういう上手に泣かせる短編集ではなく、荻原浩本来の持ち味であるアイデアがぴりっと利いた物語性豊かな作品で受賞してほしかったという想いもあるのですが、」「「成人式」は、(引用者中略)深いテーマを軽妙に、しかしあくまでも真摯に描くという荻原さんらしい短編だと思いました。」

 

 

 

 

 

うーん。

やっぱりなんだかんだ言っても、選考委員ってことばのプロなのね。

なんだかんだって何だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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