月と蟹  | VIKI(びき)のブログ

VIKI(びき)のブログ

VIDANCE COMPANY 主宰 VIKI
吉祥寺、 三鷹、武蔵野市、杉並区、阿佐ヶ谷にて
ジャズダンス、ヨガのレッスンを行っています
アラフォー、アラフィフ、アラ還&more歓迎♪
初心者歓迎、お子さま連れも歓迎です♪
ぜひご見学にいらしてください!お待ちしています^ ^

月と蟹
 

 

 



久しぶりのヒット!!



「直木賞受賞作」
という帯の文句に釣られて購入。

帯で魅力を伝えるって難しいのでしょう・・・

自ら選んで買ったものの、
帯の


海辺の町、風が吹きすさぶ秘密の場所で
子供たちが見つけた「ヤドカミ様」の正体は

世界は大きくて理不尽だから、
僕たちは神様を創ることにした


月夜の蟹は、駄目なんだ。

「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」
「叶えてくれると思うで。何でも」

やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、
ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。
やがてねじれた祈りは大人たちに、そして少年たち自身に、
不穏なハサミを振り上げる

深い余韻にとらわれる、道尾秀介の最新長編!

第144回 直木賞受賞作





との文句に、
んー・・・ 子どもが主人公かー・・・
ヤドカリとか気持ち悪いし・・・



と、読む気が薄れ、
しばらく棚に眠ったままでした。




子ども時代の
狭い世界での
誰もが身に覚えのあるような感情を


とてもていねいに
いたたまれなくなるほどリアルに書いてあって



ネーミングのセンス (←これ重要!) も、
言葉の選び方も、

導入もラストも、途中も、

とてもよかった。






んー
でもこの題名はどうなの・・・
「月と蟹」 って








著者インタビューにあった一文、

僕は、小説は同じ事をやるなら一文字でも短い方がクオリティーが上がると思っているんです。




これは、
奥田英朗さんがおっしゃっていた、


読者を信頼して、書きたいことの七割までしか描写しないようにしている
・・・中略・・・
かつては、自分だからこそ言える「決めの一文」を描きたかった。でも途中で、それは作者の自己満足だと気付いたんです。自分を前に出して、小説が面白くなるかといえば、決してそうじゃない。



という姿勢と近いのかな。
と思います。




トップランナーの中でも、
道尾さんの小説に対する姿勢や魅力がよく表れていました。

インタビューの中で、道尾さんをよく知る人物として紹介された
桜庭一樹さんの、

業界では(道尾さんは)ビッグマウスとかバッドボーイとかいわれている。
亀田興毅作戦という人もいる。


というのを受けて、

やることはぜんぶやっている。
自分で出来ることは全部やっている。
実力以上のことをするには、はったりかまして自分を追いつめるしかない。
最後の手段ですね、試合前の。


と、真摯に答え、
インタビュアーの箭内道彦さんの
「苦しくはないですか?」 (つらい題材を書き進める時)
という質問には

小説なんて、著者が小説にこめた思いって、僕は10分の1伝わればいいと思っている。
・・・中略・・・
10分の1伝わっても、充分にインパクトをあたえられて充分感動させられるものをつくるには
ほんとにこっちは、書き終わって椅子から立ち上がれないくらい
心底感動して、心底苦しんで楽しんでってやらないと
少しも、きっと感動させられることってできないと思うんですね。



救いについては

実人生の中で、取り返しのつかないことってあまりに多いじゃないですか。
・・・中略・・・
僕が見たいのは救い。
・・・中略・・・
大人向けの救いは、ハッピーエンドではない。
救いは自分で作るもの。