先日のこと。
オットという人がみやぴんを実家に迎えに行ってくれたので、私は実家に寄らなかった日。
用があったので母に電話をすると、待ってましたとばかり。
「あのね。あなたから電話がかかってくるの待ってたの」
「どうしたの?」
母から急いた様子で話があるときは、良い話ではないことが多い。特に最近の母は小さな体調不良がポツリポツリとあるから、こちらも身構えてしまう。
「H(兄貴)から連絡あった?」
「別に何も。どうかしたの?」
「Hね、東京に転勤になったんですって。」
「へーっ!五十にして初めての一人暮らし?笑」
「あなたね、そんな呑気な話じゃないのよ。」
「いつだって?4月?」
「それがね、よく分からないのよ」
なんでも、用事ついでに夜10時過ぎに母のところに来て「俺、東京に転勤になった」と言って去っていったらしい。
「よく分からないからしっかり話をしたいんだけど、あの子もTさん(義姉)も忙しいでしょう?」
「じゃーLINEでもして聞いてみるわ」
「そうしてくれる?」
おお。母がうろたえている。
何事にもあまり大きく動揺しない母が。
しかも、50過ぎた子どもの転勤話で。笑
<ちょっと!東京に異動になったって何?
<知るか!俺が聞きたいわ!!
<Canterのお父さん役はうちのオットにさせるわ
<是非頼む
<お母さんのこと、よろしく頼むな
<それは頼まれた。安心して。
<で、いつ?
<着任4月1日付け。引き継ぎとかの関係で実際はもう少し後になる
<Tigerと一緒に住むの?
<それは分からん
翌日、仕事が終わって実家に帰ると、母がコーヒーを淹れてくれる。普段は私が淹れるのに。話してほしいんだよねぇ。笑
「色々と忙しいと思うから、せめてTさんだけでもいれば話が聞けるし、何かできることがあればと思ってあの子の家に行ったんだけど、全然皆いないのよねぇ…」
「兄貴に連絡したよ」
「で、あの子なんだって」
「かくかくしかじか」
深く長い溜息が続く。
お母さん、ショックなんだなぁ。
「私ねぇ…それほどあの子と顔を合わせるわけじゃないし、あの子に頼ってるつもりもなかったんだけど、いざ『東京に行く』って聞いたら、やっぱり頼りにしてたのね。いてくれることで『何かあっても大丈夫』って安心してたんだわ。私、今すごく不安なのよ」
「それが息子っていう存在なのかもね。でもさ、『何かあったら』っていうのは私がいますよ?」
「そうねぇ笑。この前(あばらにヒビが入ったとき)みたいなことも、もしかしたら病院で下着を脱ぐとかしたら、あの子の前じゃできないものねぇ。そういう点ではやっぱり娘だわねぇ笑」
「お母さんは何が一番不安?」
「それはもう、あの子の健康!!」
「結局そこ!?笑」
「だってあの子みたいな子が一人暮らしなんてしたら、それこそめちゃくちゃな生活をしそうじゃないの!しっかりしたお嫁さんがいるからなんとかなってきたのに、一人になったらもうハチャメチャに決まってるもの!!」
母、兄貴を信頼してるが信用してない
っていうか、心配の種を母が自分で作り出してしまっているなぁ。
八十も半ばを過ぎたら、もう少し荷物を下ろして楽に呑気にしていてくれた方が良いのに。苦笑
いや、でもそれはそれで母の「生きがい」でもあるから難しいところなのだが。
さしづめ、兄の「五十にして知る天命」は、母の予想を良い意味で超えて、穏やかに日々を過ごすことかなー笑
と言いつつ、私もか。笑