昨日、大阪産業創造館で開催されたセミナーを受講してきました。
東証一部上場の創業社長 森 正文 氏の講演で、高級ホテル、旅館に特化した宿泊予約サイト「一休.com
」の運営にどのようにしてたどり着いたかという内容でした。
勢いで脱サラしたものの、ビジネスのアイデアはなかなか思い浮かばなかった。
大会社でも、どんな会社でもホームページ1枚のトップぺーから始まる。ホームページでブランド化 を図ろうと思った。
オークションサイトを始め、売ってくれるものを探し、営業にかけずり回った。
たまたま高級ホテルが目に入り、ホテルの何か商品を売ってもらおうと営業をかけたところ、思いの外、一番売りたいものは「スイートルーム」だと言われた。
結果は、1泊15万円のスイートルームを1万円からオークションに出し、3万円で落札し、5%の手数料を得た。
15万円のスイートルームを3万円で落札されてもホテルは喜ばないと思いきや、スイートルームは結婚式の新郎新婦や特別な外賓くらいで決まった日にしか宿泊はなく、普段は空いているから値段を下げてでも宿泊してもらいたいとのこと。
ホテルの部屋は当日限りの生もの翌日に持ち越せないので、当日に値段を下げてでも売り切りたいという要望があることがわかった。
オークションを始めて4ヵ月経った頃、Yahooがオークションを始めたので、大手には太刀打ちできないとオークションからは撤退し、今のビジネスモデルにたどり着いた。
高級ホテル1ヵ所の実績をもとに、他の高級ホテルにも営業をかけ、後に高級旅館、高級レストランへと広げていき現在に至る。
一休は、成約時の8%が手数料収入、人件費と広告費を上回れば利益というシンプルなビジネスモデル。
価格はその日によってホテルが決めている。それをいかにホームページで予約を取るかが一休.comの注力するところ。
ホテルからキャンセルを減らしたいとの要望で、一休.comのサイトでカード決済を行うようにした。
事業プランがないまま、起業されたのは驚きですが、必死で考え、先ず行動してみて、お客様の要望をお聞きし新たなビジネスモデルを確立していかれたところは大いに参考になりますね。
森社長曰く、自分は私欲がない。社員の所得を上げたいとのことから、
月次決算を社員に開示、税引き前利益の7%を社員に分配することにより、社員を増やすことなく、社員の高所得を実現しているとのこと。
会社(=社員)、取引先、ユーザーがWIN-WIN-WINの関係であるすばらしいビジネスモデルの会社だと思います。
森社長のお人柄が取引先、社員の信頼感を得て初めて、ユーザーからも信頼され利用されている好例だと思います。
貴重なお話をしていただいた株式会社一休の森社長とすばらしいセミナーを受講料1,000円で開催してくださった大阪産業創造館に感謝した1日でした。
大阪産業創造館 は起業される方から中小企業にとても有益な活動されている公共機関です。
ご利用されることをお勧めします。