今回は、中学受験における、抽象論ではなく、我が家の具体的な方法論を少し記載してみます。

 

週テスト対策は「知識の確認」以上の意味がある

 

Sコースを目指すうえで、我が家がまず重視したのは、毎週の週テストをきちんと対策して、しっかり点を取ることでした。

週テストは範囲が決まっていて、しかも類題が多い。

その意味では、地頭勝負というより、努力が結果に直結しやすいテストです。

 

ここで私が重視したのは、単なる知識の定着だけではありません。

もちろん、覚えるべきことを整理し、必要な知識を固めることは大切です。

ただ、それ以上に意味があると思っていたのは、子どもの中に

 

努力すれば結果につながる」

という回路を作ることでした。

 

よく、テストのための対策なんて本当の実力には結びつかない、という意見があります。

その指摘自体は半分正しいと思います。

実際、目先の点数だけを取りにいく勉強には限界があります。

 

ただ、子どもにとっては

「努力しても変わらない」

と感じることの方が、ずっと深刻です。

 

頑張った。

点が取れた。

嬉しかった。

また頑張ろうと思えた。

 

この循環を早い段階で子どもの中に作ること。

我が家では、週テストをそのための場としてかなり意識的に使っていました。

 

ここには、私自身の経験も少し重なっています。

医学部でも、定期試験では膨大な暗記が求められます。

本当に、短期間で処理しきれないほどの量を頭に入れなければならないこともある。

そして現実には、そうした試験対策で過去問が極めて重要になる場面は少なくありません。

 

もちろん、それだけで本質的な理解が完成するわけではありません。

ただ、試験で結果を出すという目的に限れば、過去問は非常に強力な教材です。

短期的に結果を出すための再現性は高い。

 

小学生の社会や理科も、ある意味ではそれに近い面があります。

覚えた知識のすべてが将来そのまま役立つとは限りません。

それでも、そこで得られるものは知識そのものだけではないと思っています。

 

たとえば、

・自分はどういう覚え方が合っているのか

・反復で入るのか、イメージで入るのか

・どの程度の時間をかければ結果が返ってくるのか

といった、自分なりの記憶スタイルや努力の感覚です。

 

この領域は、少なくとも算数のひらめきのように強い才能差が出る場面ばかりではありません。

むしろ、掛けた時間が比較的素直に結果へ返りやすい。

だからこそ、投資する価値があると思っています。

 

社会と理科については、我が家ではひたすら過去問を回しました。

まずは「見たことがある」「整理できている」「解ける」という感覚を持たせる。

範囲のあるテストで点を取る経験は、知識の定着以上に、本人の自己効力感につながります。

 

算数も基本的には過去問を回しました。

ただし、算数は社会や理科とは少し違います。

あまりに1対1対応の暗記型に寄せすぎると、後々苦しくなりやすい。

算数にはやはり、概念理解や思考の試行錯誤が必要な側面があります。

 

そこで我が家では、過去問を回しつつ、ときどき親子で問題を一緒に見て、対話しながら解く時間を作っていました。

しかも、親が最初から答えを知っていて教えるという形ではなく、親も答えを知らない状態で一緒に考える形です。

 

これは意外と意味がありました。

答えを知っている人が一直線に解いてみせると、子どもには「できる人は最初から見えている」ように映りがちです。

でも実際の思考はそんなにきれいではありません。

間違った考え方をしたり、回り道をしたりしながら進むものです。

 

だからこそ、親も一緒に迷いながら考えることで、

・難しい問題の前で止まるのは普通のこと

・試行錯誤そのものに意味があること

・考えるとは一直線に正解へ向かうことではないこと

を、言葉だけでなく姿として見せられます。

 

また、親も解けないことがある、という事実は、子どもにとって一種の安心感にもなります。

難しい問題を前にして苦しいのは、自分だけではない。

そこは地味ですが大きかったと思っています。

 

一方で、国語は少し性質が違うと考えています。

国語は、読書量や語彙の蓄積、文章への慣れといった要素が大きく、一朝一夕で急に伸びる教科ではありません。

だから、短期で劇的な変化を狙うよりも、語彙や漢字など、知識として積み上げられる部分を着実に定着させる方針を取りました。

 

週テスト対策は、単なる点取りではありません。

少なくとも我が家では、そう位置づけてはいませんでした。

 

知識を固める場であることはもちろんですが、それ以上に、

「努力と結果を結びつける感覚を育てる場」として使っていました。

 

受験は長いです。

その中で子どもが前に進み続けるには、地頭や根性論だけでは足りません。

「やれば少し変わる」「頑張れば届くことがある」という感覚が、本人の中に少しずつ積み上がっていくことが大事だと思っています。

 

週テストは、その感覚を育てるにはちょうど良い舞台でした。

だから我が家では、あえてそこに時間を使って、結果を取りにいく方針を取りました。

 

実力をつけることと、努力が結果につながる経験を積むこと。

この二つは完全に同じではありません。

でも、受験を走り切るためには、どちらも必要だと思っています。