私は医学部時代、一度も徹夜をしませんでした。

周囲には、夜通し机に向かい、そのまま試験会場へ行くタイプの友人もたくさんいました。

ただ、私には合いませんでした。


眠い状態で勉強すると、明らかに効率が落ちることを自覚していたからです。

特に私は、睡眠不足になると極端にパフォーマンスが下がるタイプでした。


だから私は、

「どれだけ長く勉強したか」

ではなく、

「脳がどれだけ良い状態で記憶できるか」

を重視していました。

私の基本戦略は「一旦寝る」ことでした


医学部の勉強は、とにかく情報量が膨大です。

解剖学、生理学、薬理学、生化学。

どれも「理解だけ」では足りず、大量の知識を保持する必要があります。

だからこそ、私は「睡眠」を勉強時間の敵ではなく、記憶プロセスの一部として扱っていました。


例えば、夜に範囲が終わらなかった時、私は無理して続けませんでした。

「よし、一旦寝て記憶を固定化しよう」

と考えて、早めに寝ていました。

そして、その代わり朝はかなり早起きしていました。

朝の再接続で、記憶が一気に完成する。


私の感覚では、夜に覚えた時点では、記憶の完成度は70%くらいでした。

でも、一度寝て翌朝に見直すと、一気に95%くらいまで上がる感覚がありました。

これは単なる気分ではなく、実際かなり理にかなっています。

睡眠中、特にノンレム睡眠では、海馬を中心に記憶の整理や固定化が進むと言われています。


つまり、

夜:

「ここが曖昧だな」

「これは覚えた」

睡眠で自動的に整理

朝:

「ちゃんと残っている」

「ここだけ抜けている」

という状態になるわけです。


私はこの“翌朝の再接続”をかなり重視していました。

「長時間勉強」は、時に自己満足になります

勉強ができる人ほど、「長時間=偉い」という幻想を持ちにくい気がします。


実際には、

・眠い

・集中できない

・同じところを何度も読む

・覚えた気になっている

だけの時間は結構あります。


もちろん、努力量は大切です。

ただ、「脳の状態」を無視した努力は、かなり効率が悪い。

私の場合、眠い中で粘るくらいなら、

一度寝て、朝に高品質な状態で再開する。

この方が、明らかに記憶効率が良かったです。


私のやっていた具体的なやり方は、大まかにこんな流れでした。


1. まずテキストやレジュメを集中して覚え込む

2. 過去問でアウトプットする

3. 思い出せなかった部分だけ再学習する

4. 一旦寝る

5. 翌朝に再確認する


つまり、

「全部を何度も読む」

のではなく、

「思い出せなかった部分だけ修復する」

という感覚です。


今思えば、かなり“想起ベース”の勉強だったと思います。


この方法は、実は中学受験にも応用できると考え、

今、私は子供にも似たような考え方で勉強を教えています。

もちろん、小学生に医学部式の大量暗記をさせるわけではありません。


ただ、

・軽く問題を解く

・思い出せなかったところを確認する

・寝る

・翌朝にもう一度軽く触れる


という流れは、理科や社会の長期記憶にかなり有効だと感じています。

このやり方を教えてからは実際、娘は最近、理科や社会の点数がかなり安定してきました。


重要なのは、

「どれだけ苦しんだか」

ではなく、

「脳の仕組みに合った学習をしているか」

なのだと思います。


最後に

私は、「根性論としての勉強」があまり好きではありません。

もちろん努力は必要です。

でも、脳は機械ではありません。


眠い状態で無理やり詰め込むより、

・睡眠を取る

・想起する

・翌朝に再接続する

方が、ずっと合理的なことがあります。


勉強は、「長く机に向かった人」が勝つわけではありません。

「脳をうまく使った人」

が勝つのだと思っています。