見える化 と 可視化は同じか、そして何を見るのか!

 

1)見える化

 

■一昔前に、この「見える化」という概念は広まりましたよね。

 

 何事も「見える化」することで、伝わりやすくなるし、細分化でき、マニュアル化できるというわけです。

 

 難しい出来事、やり方、システム等々、これらを万人に見える化することで、簡単にできるようになり、第一、普遍化しやすいというわけです。

 

 それまでは、達人の技みたいな箇所も、「見える化」することで、わかりやすくなるわけです。

 

 組織の発展には、「見える化」が重要というのが盛んに言われたことでした。

 

 

2)可視化

 

■今回、同じ意味のように捉えられるかもしれないのですが、きな臭い話です。

 

 朝日新聞(20220826)に、「上空から攻撃する視点」と題する、インタビュー記事が掲載されています。

 

 要するに、こうです。

 

東京大空襲 vs ウクライナ戦争

 

 東京大空襲は、1945年3月10日の出来事です。共通点はこうだと書いてあります。

 

 力のある国がない国を空から攻撃して(制空権を握られている)、多くの無差別爆撃を展開し、人々は焼き殺されるか、逃げるしか無いということ!

 

 力のある国は、上空から地上を可視化する技術を発達させたというわけです。

 

 航空写真をとり、地図化して風景と照合するそうです。

 写真から、建物や丘陵などの高さを計算して、3次元の大型模型を作るのだそうです。

 

 この技術は、東京大空襲を始め、朝鮮戦争でも使用されたそうです。

 

 

3)メディア=戦争

 

■記事では、その可視化というのは、メディアと同じというのです。

 

 つまり、空爆の技術は、メディアと同一線上にあるというのです。

 

「見ることは殺すこと」、人間の身体拡張技術というのです。目が拡張した望遠鏡、手が拡張した銃と同様だというわけです。

 

 軍事技術は航空機産業へ、映画産業へと拡張していきます。

 

■ベトナム戦争は、ゲリラ戦でした。さらなる精密誘導技術が発展します。

 

 それが湾岸戦争へとつながっていきます。

 

 そして、無人化され、ドローン兵器と発展していくわけです。

 

 そのヒントは、神風特攻隊にあったというのです。操縦士の目の代わりに、人工衛星が代替して、誰が殺しているのかをわからなくさせたというのです。

 

 指揮官なのか、軍全体なのか、AIなのかというわけです。

 

 

4)ウクライナ戦争と東京大空襲の違い

 

■それは、今までは力のある国からの視点での報道であったのが、逆の側からの視点が出てきたというのです。

 

 つまり、SNSです。リアルタイムで、攻撃されている側の視点が共有された最初の戦争であったというのです。

 

 

5)何を見える化、可視化していくことが重要か!

 

■記事のインタビューでは、こう締めくくられます。

 

東京大空襲で殺された路上の無数の遺体は、何を語ることができるのだろうか。(中略)はるか上空から投下された爆弾でただ殺され、意味を剥奪された世界各地での大量の死を、上空からではなく地上から見つめ直さなくてはなりません。

と。

 

 死体から何を見るのか、この視点が重要なのでしょう。

 

 戦争自体の「見える化」、「可視化」が問われていると言えるでしょう。

 

 それにしても、この戦争で苦しんでいる人々、兵士を含め、どうすればストップできるのでしょうか。何もできなくて、こうしてキーボードを叩くだけの自分、なんともいいようがありません。・・・・・・

 

 自分の頭の可視化、見える化が必要ですね!