■熊本日日新聞 2015年7月17日(金) 「ロボ・・・」

■小見出しにこうあります。
「低コスト追求 人件費4分の1に」
 そこで、問います。
【これは、誰の視点でしょうか。】

■まさしく、企業サイドの視点です。労働者側の視点となると、人件費削減ということなので、雇用の減少となり、ますます労働環境が狭まるということにつながります。澤田社長も言っています。
「世界で最も生産性の高いホテルをつくりたい」とね。
 澤田氏の本も数冊、読みました。凄い人です。苦労人です。

■確かに、人件費が安くなると、ホテルの宿泊費に跳ね返り、消費者にとっては美点でしょう。でも、その消費を支えるのは、労働者側の収入なわけです。ここいらが難しいところでしょう。以前、このホテルだったか、違ったかもしれませんが、代金が入札制度という話を聞いたことがありました。「これが本当」なら、富裕層しか泊まれなくなるということも考えられます。

新聞記者が「誰の視点で」記事を書いているのか、ここがポイントです。例えば、今回の記事で、労働者側に立った場合は、こうなるでしょう。
「低コスト追求で、雇用枠、狭まる」とかです。

■安保や平和、この時は、対政府で、民衆側に立った視点が多いかと思います。しかし、経済となると、そうではないような気がしていますが、皆さんはどう思われますか。この論理が正しいとなると、やはり新聞社も経済の一コマということになるでしょうか。でも、記者は労働者ですよね。経営陣とは異なります。すると、自分の首を絞める記事を書いてしまっているということにならないでしょうか。
 例えば、印刷現場にロボットが投入されたとしましょう。
「世界で最も生産性の高い新聞社を作りたいね」となるでしょうかね? あるいは見出し同様、「低コスト追求 人件費4分の1に」となるのでしょうか。

■記事1つ書くにしても、考えさせられると思いませんか。これがメディアリテラシーでしょう!!