急に思い立ち、小学校2年生の時以来、38年ぶりに再読。子供の頃に読んだ本の再読は面白い。何冊かやってみようかな。

 驚くべきことに、この本は11年前に新装版が出て今でも版を重ねているようだ。昭和59年に青い鳥文庫版(私が保有しているのは文庫版の初版。捨てられないな。)が出る前の単行本は昭和50年に出版されているから48年も途絶えることなく売れているということになる。

 タイトルだけみると、道の歴史や構造について詳細な解説が加えられているように見えてしまうが、そうではない。道を切り口にして、人々の生活とその変化について、歴史と地理を一体として子供向けに解説している。

 小学校2年時に読んだ際は、「ふーん、そうなんだあ。」という印象しか持たなかったと思うが、大人になって読んでみると、歴史と地理を一体的に捉えた視点で人の暮らしを見ていくことの素晴らしさを認識させられる。小学生のときにこの視点を意図的に叩き込むことは大きな意義がある。だからこそこの本は48年も生き残っているのかもしれない。

 子供が読むには少々難しく、長めかもしれないが、この本の視点を高校生以後ではなく小学生のうちに身につけられたら、その後の学習の効果が段違いになる。歴史、地理といった分類は、学問上、教育上の便宜でされているものであり、一体的に学べるならそれは理想的だ。私は本を人に勧めるのは好まないが、子供が本を読める年頃になったら早期に読んだほうが良いと思う。

 なお、同じ著者の「〇〇は生きている」というシリーズの本がいくつかあるが、「道は生きている」しか読んだことはない。図書館あたりで眺めてみようか。