美弥ちゃんバウホール公演“アンナ・カレーニナ”観てきました…終わってしばらく立てないほど号泣です。





美弥ちゃん、れーこちゃん、うみちゃん、素晴らしすぎる…一つ一つのセリフが身にしみて、心に響いて響いて。


この人たち、こんな恋愛した事あるの??

ないのに何でここまで表現出来るわけ??


もうね、役者美弥るりか、爆裂。オットーの時の感動再び。


しかもそこに限りなく美しいとキている。


最初の赤い軍服、それだけでも目の保養なのにその上にマントを羽織って再び出てきたときのまぁ惚れ惚れするカッコよさったら。


遊びの恋をたくさんしてきた感満載、手練手管で上層階級の女性たちと浮名を流し、エリート街道まっしぐら。はい、一瞬の表情にそれを見せてくれてました。


それが、うみちゃんアンナに会ってからは…


前回の星組バージョン、ともみんは激しく熱く情熱的だったからそれ故に道ならぬ恋に走った…、


美弥ちゃんはしっとりと内側から求めていたものがだんだん溢れ出してという大人な感じの作り方で、一つ一つの表情がとても丁寧で流れ落ちる涙の雫もすごく純粋だと感じ入りました。道ならぬ恋ではなく、愛しすぎた愛、まさに命を懸けた愛でした。



出会ってすぐ、アンナが戻ると知ってヴィロンスキーが追いかけてアンナを見つけた瞬間の、アンナを見つめるヴィロンスキーのなんと狂おしい表情、そしてうみちゃんの心の葛藤や乱れがその表情や仕草にも全て現れていて、この2人の純粋な“愛”へと向かう様に最初から思わず涙がこぼれます。


競馬場のシーンで、“上気した頬、誰より近くにいたお前、それはあの男のものか”と歌うれーこちゃんカレーニンの歌にも涙涙。嫉妬にかられる自分ではないと冷静に生きてきたカレーニンの、自分でも認めたくない感情が沸々と湧き上がってくる心情の歌を見事に歌い上げてました。れーこちゃんの演技は静かに燃える演技が多い、だからこんな役はぴったりですね。



演出的には、新しいナンバーもあり、カレーニンとアンナとの夫婦の会話のシーンが増えてて、

アンナがカレーニンに対してあなたと愛について語りたいのと言ったときにもう少しカレーニンがアンナがほんとは愛おしい存在なのだと素直になっていれば…あるいはアンナは思いとどまっていたのかもしれないと思われるシーン、これはあとの結末を知ってるだけに一層辛さを引き立てました。





私たち愛しすぎたのね、って言葉がヴィロンスキーとアンナの2人が最後に交わした言葉、そのあと2人の愛はアンナの、カレーニンを思いすぎて起こってしまった不慮の死によって終わってしまいます。


とにかく2人はいっつもひっついていて愛し合っていて、ヴィロンスキーの言葉にもあったように「この世に生きてる限り僕たちは離れては生きていけない」と。


こんな愛の形が本当にあるのだと、そしてどこまでも深い深いアンナの夫、カレーニンの愛の形。


悲しい。

だけど納得させられる。

悲しすぎる。

でもどうしようもなかった愛というのがよくわかる。あの時ああしていれば、というスキがこのヴィロンスキーとアンナの2人にはないのです。



アンナが体調を崩して死と隣り合わせでいた時の、ヴィロンスキーの身の引き方も愛おしさゆえに限りなく苦しくて美しすぎる美弥ちゃんヴィロンスキーがより一層その悲しさを際立たせていきました。


五峰さんと圭子姉さん、るうさんの存在は作品に厚みを与えます。うみちゃんより下はどっと若手になるので、どれほど有難い存在だったでしょう。






さて、ここからは残念な事の呟きです。

ご気分悪くされる方いらっしゃるかもなので最初に謝っておきます。


そのうちの一番。コスチャがコスチャじゃなかった事。かつてハマった、しーらんのどこまでも誠実で朴訥なコスチャしか有り得ないものだからこれはコスチャではなく全く別の登場人物だと思って見ざるを得なかった事です。


コスチャとキティは主役2人と真逆な世界で、しーらんコスチャバージョンはその対比がすごかったのに…失恋したキティに誠実に慰めるところも、2幕のナンバーソロも、キティが後悔していて再会して後悔している事を知ってもう一度プロポーズするところも、周りにはやしたてられ戸惑いながら嬉しがるところもそのあとの2人の幸せそうなシーンも、一つ一つが心に響かないものだから主役2人との対比も浮き立って来なかったです。心からの誠実さが感じられなくて。


セルプホフスコイ役の英くん、美弥ちゃんヴィロンスキーのライバルであり親友には見えず、やはり10年の学年差は大きすぎた…立ち姿は美しいのですが。


そしてそのフィアンセ役の夏風季々ちゃん、この子もしかしてものすごく性格悪い??って思わせるような表情を何度もしていて素顔が見え隠れしてしまう感じでした😰💦。実際いい人だったらごめんなさい。


セリョージャも…うーん、子供に見えなかった…


学年が若すぎるから仕方ないのかもしれません、これからどんどん経験積んでいかれる事とは思います。



残念な事はあっても、それをもどっかへ飛ばしてしまうくらい、主要メンバーのお芝居にどんどん引き込まれて行く、そんな公演でした。


月組下級生メンバー、頑張れーっ。