この姿見てください。U-12遊び合宿の最終日、自宅へ帰るバス車内様子です。

 

疲れ果て枯れ果てた老木のようでございます。

 

ついさっきまでフルパワーで回転していたモーターが、一瞬にして壊れました。

 

電池が徐々になくなっていく緩やかな低下なんてものではなく、急転直下でございます。

 

ONからOFFへ。

 

それほどまでに「3日間遊び倒し」たんでしょう。上出来です。

 

 

初日のボルタリング。

 

講師の説明もそこそこに、歓声と悲鳴を従えて、我先に壁へと登って行くのです。

 

壁にびっしりしがみ付いているその様は、夏の蝉と一緒でございます。

 

午後は、大自然の中で壮大な鬼ごっこです。飛び回る蝉でございます。

 

夜はお決まりのガッチャガッチャ。それでよし。

 

2日目の8kmマラソン。

 

このマラソンは別の機会にじっくり書きたいと思いますが、まぁ素晴らしかった。

 

私も一緒に楽しくのんびり走ろうと伴走しましたが、小さくなっていく子供の背中を見つめるのが精一杯。

 

最初の10分で一緒に走ったのを後悔し、2km毎の給水所で命を助け続けられたのです。

 

私、思いました。この子たちアスリートだ!って。

 

その後はゴール地点の猪苗代湖で湖水浴。

 

クールダウンのつもりでしたが、そうなる訳もなく、水温を1~2度上げるほどの大盛り上がりに。

 

最終日の3日目は、カヌー。

 

檜原湖の水温は3~4度上がったんじゃないでしょうか。

 

時折水面から顔を出すくらいで、4時間遊び続けておりました。河童です。

 

カヌーで水上の鬼ごっこ。こんなことよく考えるよね。

 

そんな楽しい時間でしたが、事件がひとつ起きまして。大人を巻き込んだ謝罪事件に発展したんです。

 

それは楽しい楽しい昼食のカレーをみんなで囲んでいるとき。みんなが御代りをしたいということでしたが、カレーの残りは少量。

 

早いもん順?いやダメだ。じゃんけん?いやダメだ。みんなに平等に分けてあげよう。指導者の優しい心遣いです。みんなも納得してくれました。

 

私はご飯の盛り付け。もう一人のゲスト指導者である丸山氏はルー。

 

分量を見極め慎重にやっていたんです。やっていたつもり・・・です。

 

そしたら案の定、最後の5名くらいは可哀想な結末です。

 

子供の持つプレートには親指ほどカレーらしきものが添えられておりました。

 

ここで子供たちの不満が大爆発です。

 

「なんで俺のはこんなに少ねぇんだー!」「遊びは遊び楽しくやろうぜ!でも食事は違うんじゃぁ!」「○○なんて、めっちゃ盛られてんじゃん!」「○○ずるいぜぇー!」

 

食べ物の恨みは我々の想像を遥かに超えておりました。

 

ここで犯人の一人としてやり玉にあげられたゲスト指導者の丸山氏。

 

『申し訳ない。配分ミスった。でも・・・○○がMore!More!(もっと!もっと!)ってせがむもんだから』

 

自分の欲望のままに止まることのないMore!を連発した○○。

 

その○○にすっかり丸め込まれ、笑顔でよそい続けた丸山氏とその告発。

 

そうして犯人の2人は、全員の冷たい視線を前に直立不動で整列し、深々と頭を下げながら、「カレーをたくさん食べてしまって申し訳ありませんでした」「カレーをたくさんよそってしまい申し訳ありませんでした」と謝罪したのであります。

 

私は腹抱えて笑っておりましたが、子供たちの目はいつまでも冷たいままでおりました。

 

 

そんな3日間を過ごしてのあの写真でございます。

 

私、この3日間って今しか出来ない貴重な時間だったと思います。

 

サッカーはいつでも出来るよ。でも“みんなで時間も忘れて必死に遊ぶ”ってなかなか出来ない。

 

大人になったら、思い出せばいいのよ。

 

あの時、あそこでみんなと遊んだなぁ。なんか楽しかったなぁ。

 

それだけで十分。

 

それを持ってるか持ってないかで、このクラブにいた意味とこれからの豊かさが変わってくる。

 

この合宿で子供たちに伝えたことがあります。

 

「たくさん遊べ、たくさん楽しめ。メリハリ。ONとOFF。それが一番重要だぞ」

 

遊ぶONと遊ぶためのOFF。サッカーをやるONとサッカーをやるためのOFF。勉強なんかもそうね。

 

もう彼らとこんな機会ないだろうけど、最高の3日間でした。

 

 

by paris