ある保護者から相談を頂いたんですが、同じように感じている方もいるかと思い、その内容をご紹介差し上げます。
「試合会場なんかで外から見てますと、うちの子も含めて、試合以外の部分で多く見られるんですが、行動が非常に遅いというか緩慢なんです・・・」
「チームメイトの保護者の方からも、何回も直接子供たちに指摘をして頂いているみたいで・・・」
「私もそうした子供の行動に問題意識を持っていたので、家では厳しく言うのですが・・・」
「なかなか改善されないことは歯痒いのですが、コーチに預けているので・・・」
「ただ、出来ている子の保護者の方からすれば、イライラして注意したくなりますよね」
この話の中で、キーワードがいくつかあります。
①自分の子供の行動 ②コーチに預けている ③他の保護者の介入
ここでは、②と③が大きな関係であると話を進めていく中で推測されました。
端的にいうと、コーチに預けているんだから、保護者の介入をどうお考えですかと。
①に関しては、“気付いている子” と ”気付けてない子”になるのでしょう。
“出来る子” と “出来ない子”の差ではないと思います。
私は、多くの大人の刺激のもとで子供が支えられる環境が一番だと思っております。
指導者も保護者もその大人です。
多くの知識や経験、多様な考え方や感じ方等々、子供にとって素晴らしい教材が近くにいます。
コーチに預けているのだから一切・・・。
これもまた素晴らしい考えでもありますし、子供を支える一つの方法でもあります。
しかしながら、コーチだけの力では、当然ながら限界があります。
そうした限界を、極力狭める様々な手立てや努力を行っているとしてもです。
だから三位一体って、子供にとって最強なんだと思います。
もちろん、何でもかんでも保護者が介入して良いということではないでしょう。
チームやコーチの考えや意向を汲まなくてはなりません。
たとえばこんなことがありました。
「大変そうだから子供たち手伝ってあげたほうがいいんじゃない?」
「そうね。でもコーチが子供たちだけでやらせたいのかもよ、きっと。」
そうですね、“出来ることを広げさせる”ために行わせてることも多いですね。
自らの気付きを増やしていくということも、こうした自立度合いが大きく関わってきます。
①のように、どうしたら子供が自分で気付ける力を身に付ていくのかを考えてあげながら、関わってあげるといいのかもしれません。
わざと関わらないで、失敗させるのも良い方法の一つです。
このようにに、手を差し伸べる前に一端立ち止まって少し考えることも必要でしょう。
ただそれとは別に、ここは大人として介入しなければならない!ということもあります。
もうそれは大人としての感覚ですね。
でも、色んな人に色んなこと言われたら、子供が混乱しちゃうんじゃないの?
あっちはこう言った、こっちはこう言った。こうした懸念も出てきますよね。
子供が混乱するのは、唯一です。
コーチ以外の人にコーチされた時だけです。
それ以外は最終的に自分で解決しちゃうんです。
でもサッカーのコーチ(指導)となると、評価の対象が変わってくるので、自分で解決できません。
コーチはチームに任せ、それでも疑問があれば、直接コーチへ聞いてみるといいでしょう。
それ以外は、色んな刺激が子供に届いた方が良いと思ってます。
このように、子供とコーチを中心としながらの支え合う関係作りが最良なんでしょう。
指導者も、自分の力で育てた!なんて勘違いしちゃいけません。
自分の見えないところで、色んな方が子供をフォローし、支えてあげていたから育ったんです。
コーチが褒めない分、近くの保護者がそっと褒めてあげたりね。励ましたりもね。
これも素晴らしい三位一体の関わり合いでございます。
実はそうした力が、それはそれは絶大なのね。
私自身も毎日のようにそうしたことを実感しておりますし、感謝の雨あられでございます。
相談を頂いた保護者の方には、最後にその中でこれを大事にしましょうと伝えました。
「子供らしさを見守ってあげる」
「子供らしさを大事にしてあげる」
監視役になってはいけません。
サッカー選手としてのONと子供らしさのあるOFFを持ち合わせた子供。
その子供らしさがあるから、ONが育つのです。
“子供らしいね” と “もっとちゃんとしなさい”
その人なりの線引きをしてあげればいいんだと思います。
そして、「気付きを持てる子供に」。
by paris