よくジュニアユースの選手たちにも言っていたことがあるんですよね。

「サッカーで遊べない選手はダメ」

上手くなりたい、強くなりたい、そうなんだね。

でもね、まずもってサッカーで遊べないようではサッカー選手じゃないわ。


よく思い出すのは一昨年ののU-10。

練習時間の30分前には会場を開けておいて、選手の自由時間を作ってあげていたんです。

始めのうちは、2~3人だったかな早めに来てボールを蹴ったりなんかして。

ある時に言ってあげたんです。

みんなどんな練習が好き?そしたら「試合!!!」って言うんです。

そうだよね、コーチも好き。みんないつももっと試合やりたいよね。

そしたら、いつもよりちょっと早めに来て、みんなで試合しちゃえば?

「とにかく遊べる時間だよ」

送迎の問題もあるから、おうちの人に相談してみるといいよ。

それからかな、みんな早めに来れるようになって我先にって試合してんの。

遅れてきた子も「俺どっちのチームに入ればいい?」なんて言いながら、自由に混ざるのよ。

私はそんな姿をコートの横にちょこんと座って選手たちを眺めているだけ。

なんも言わないし、ただただ微笑ましく眺めてるだけ。

面白いのはね、みんな遊んでるのよ。

練習で見せるような試合じゃないのね。遊びの試合なの。

だから、みんな笑ってんのよ。仲間をおちょくるプレーだったり、ミスや失敗なんかもね。

こうやって、サッカーの楽しみ方だったり、仲間と遊ぶことの楽しさだったりを覚えるんだよね。

これ、凄く貴重な時間だったと思う。

可愛いのがね、彼ら練習の時間が近づいて来ると、試合をパッと止めて私のところに集まってくるのよ。

「ねぇ早く練習やろうよ!」って。

いいじゃん、もうちょっと試合やってれば?って提案すると、

「練習もやりたいの!」だって。

だから、じゃぁ練習始めますか!って言いながら、最高の雰囲気でスタートしてたもんだね。

サッカーで遊べる子は、サッカーを学ぶことも、出来るんだわ。


さて、昨日のU-10。

同じように遊んでごらんって促してあげたんですが、面白い反応を示した子がいたんですね。

「サッカーを遊んですることは好きじゃないんだ」

そう言って、途中で試合から抜けちゃったんです。

これ面白い反応でしょ。

その子にしてみれば、サッカーを遊んですることがなんとなくしっくりこない。

「遊び=ふざけ」なんですね。

「サッカー=真剣」ちゃんとやりたい!ってな感じなんでしょう。

遊びっていう言葉が、まだその子にはね。

その子だけに限らず、まだまだ「遊び方」「遊ぶということ」を知らない子が多いU-10。

さぁ、あの時の子供たちみたいに遊べる子供たちになっていけるでしょうか。

そんな訳で、私はこのU-10軍団をちょっとずつ“くすぐって”いきまーす。


次回 「もしも孫悟空がデコピンしか出来なかったら!?」


by paris