土日を利用し、U-15は流経柏高校主催のフェスティバルに参加。

この時期にはあり得ないほどの青々とした芝の上で、関東の強豪とのマッチアップ。

どっちを見ても目がチカチカしちゃいます。

会場に着くなり、ある3年生の選手が思い出したようにこう言ったんですよね。

「いやぁ、去年ここで○○チームとやったんだよなぁ」

「メッチャ強くて、メッチャやられたけど、すんげー楽しかったわぁ」

私もよく覚えてます。

まぁ色んな場面で完全にやられたんですよ。手も足も出ないほど。

でもね、みんなどの瞬間も果敢に挑んでいたんですね。

相手の巧さと強さを認めながら、そこにちゃんと勝負しに行くわ行くわで。

だから終わった後も、なんだか満足げに「あいつらスゲーわ」「つえーわ」って。

引き上げてくる顔が、やられたチームじゃないんだもん。

完敗のくせに、あっちのチーム以上にサッカーを楽しんじゃってるんだから。

こんな風に毎年のように良い経験させてもらってるんだな。

さて、今回。

2年生には幾つかのヒントになったかな。

相当苦しんでいるんだよね。何をやっても上手くいかないし、通用しない。

頑張るんだけども、最初でつまづいて、そしてまたつまづいちゃう。

そんな場面ばかり遭遇するから、どうしても塞ぎ込んじゃうんだな。

そうなると、だんだん卑屈になっちゃったりするんだよね。

“俺なんか”とか、“どうせ”とかね。人の話も聞かなくなるよね。

でも、そんな自分や自分たちのことを分かっている。

だから余計に辛い。

だって、それを跳ね返したいのにそのパワーが内側から生まれてこないんだもん。

こういうことって、あるよね。

無気力になっちゃうような時期や瞬間が。私だって大人になってからもあったね。

そういう時に、仲間が勇気付けたり、鼓舞したりしてくれたら、有難いし助かるよね。

去年の子供たちがそうだったかな。

でも今年の子はみんな同じような境遇にいるから、自分を守ることで精一杯。

それも良く分かるな。

最終日に、ある課題を提示してプレーさせたんです。

そしたら、やっぱり途中で止めちゃうの。パワーが削がれちゃうんだね。

試合の後にミーティングをしたら、彼らちゃんと答えが出てくるの。

そうなんだよね、プレーの連続的な表現って=(イコール)で繋がってるものって幾つかあるんだわ。

そんなことを話した後の最後の試合、表現が持続した選手がいたね。

嬉しかったなぁ。

もがき苦しんでいるけど、出来るんだよ君も。もっと味わえるんだよ君も。

ほんの少し違うスイッチを自分で入れただけでしょ。それだけでこれだけ表現できたんだよ。

だからきっと乗り越えられるんだよ。

乗り越えられるって私も簡単に言えちゃうもん。


風船みたいなもんなんだ。

君は手に持ってる風船を膨らませる。

私はその風船をポーンと手で跳ね上げる。

もし君の持っている風船がパンパンに膨らんでいたら、風船は高く高く跳ね上がるでしょう。

もし君の持っている風船がちょっとの空気で萎んでいたら、風船は凹んでストンなのかもしれない。

残念ながら私にはポンプがない。

もっと膨らませても割れないよ。そう、そう、そんな感じだ。

そう伝えながら、もっと大きな風船を渡すくらい。代わりに膨らませることはできないんだ。

そのかわり、パンパンに膨らんだ風船はちゃんと跳ね上げてあげる。

息を吹き入れるのが大変な時もある。辛い時もある。逆に軽く膨らむ時だってある。

でも、そこに入れられるのは自分だけ。膨らませたいよな。

みんな肺活量なんてそんなに変わりやしない。アイツが特別なんて訳じゃない。

君だって内側にたくさん溜まってるんだよ。

ちょっとした動機があるだけで、自分の内側にたまってる空気をたくさん吐き出せちゃう。

動機なんて、みんな人それぞれで良いんだ。あんな動機こんな動機。

私だって色々な動機作ったよ。さっきはみんなには笑われたけどね。

だって、膨らむから跳ねるんだもん。膨らんだもん勝ちでしょ。

時に破れちゃうこともあるかもしれないし、割れちゃうときもあるかもしれないけど、

そしたら、また新しい動機を作っちゃおうぜ。

たぶんそれって、もっと頑丈で大きな風船に換えて良いよって合図なんだろうから。


by paris