寒風に加え小雨の歓迎で出迎えられたU-15の喜多方遠征。

会場についてもバスから出るのに決心が必要なんですから、まぁ大変。

人一倍敏感な肌を持つ私も、ニット帽が欠かせません。

出来ることならバスの中から指導したい…。

そんなThis is Fukushima。とうとう来てしまったかという感じです。

さて、試合の方ですが、なかなか興味深い3試合でしたね。

1試合目は、ダメダメサッカーのお手本。

前半終わると同時に心拍数を計測させましたが、まぁ低いのなんの。

寒いから動けないんじゃなくて、進め方に問題があったんですね。

という訳で、低くなる原因がどこにあるのかをハッキリさせて後半へ。

意識的には改善されているようでしたが、相手の脅威までには足らず。

この辺は個の能力とポジションの適性の問題かなと。

埋めて欲しくて敢えてそうしてますけど、出来ることと出来ないことの差がまだ激しい現状。

そして2試合目。

ポジションを彼らに少し寄り添ってあげてスタート。

ハッパをかけながら促してあげましたが、やっぱり致命的なミスが起きるんですね。

追い込まれ症候群とでも言うんでしょうか。

ああヤバい!どうしよう!あぁもうだめだ!神様仏様どうにかなってー!みたいな。

これを2年生が大事な局面で幾度となくやっちゃう。

それまで頑張ってたのに、短時間にバタバタバタと続けざまに露呈して逆転負け。

この時の状況を振り返させながら聞くんですけど、明確な返事が返ってこないんですよ。

いやぁ…。え~と…。…。

もうね、無意識に身体が反応しちゃってるんです。最も弱いところがね。

そんな訳で、個人面談しました。その内容は後程としまして。

さて3試合目。

トレセンを終えた選手が合流してくれた中、そこに新加入選手を加えました。

「ゴンザレスです」「ササキ ゴンザレスです」

ブラジル人と南アフリカ人の両親を持つと語る彼は、チームメイトにそう自己紹介してました。

私も彼のプレーを初めてみましたが、血がそうさせるんでしょうか、なかなかのファイターです。

DFに置いてみたんですが1対1には強いし、相手を削る勢いで向かっていきます。

良いメッセージ性を持った選手ですね。感心しました。

それに伴って、皆も感化されたんでしょうか、試合運びの方もだいぶ改善されて、躍動感が生まれてました。

結果の方は、テンポダウンした後半に失点して逆転。

あらら、と思っていたのも束の間、

終了間際に再び躍動して長い距離を駆け上がったSBがそのまま切り込んでズドン。

やるじゃないの。皆で頑張り抜いた甲斐があったというもんです。

1点差で負けはしたものの、試合ごとに学びを生かしながら進められた良い試合でした。


さて、あの個人面談。

何を話したかといいますと…。

名付けて「時には効果的!スイッチの術」


あなたは、あなたであってあなたじゃない。

サッカーの時にはあなたではない、違う人間がプレーしています。

ですから、あのコートの中でミスをしたとしても追い込まれたとしても、それはあなたではない。

今の自分を責めたり嘆くことも必要ないのです。

プレーしているのは、あなたが作り出したもう一人の全く違う人間なのですか。

その人間は、今のあなたが考えられないようなプレーも出来ます。

今のあなたに無いようなものもあります。

あなたではない、全く違う人間です。

これから3試合目が始まります。

それまでに、もう一人の人間を作ってみてください。創造してみてください。

そうです。あなたではないもう一人の人間です。

プレーの特徴も違います。心の強さも何もかも、もちろん名前だって違います。

分かりますか。

それでは、次の試合までにお会いしましょう。


そんな個人面談でした。

ゴンザレス…。ブラジルと南アフリカから生まれたゴンザレス。

筋骨隆々なんだろうなぁ。

それでよし!


by paris