3日間のU-10尾瀬遠征を終え帰ってまいりました。

今頃選手たちは自宅のベッドでぐっすりと眠っていることでしょう。

私もU-13と合わせて5日連続の遠征と長距離運転で疲れが出てきているところです。

それでも夏休みが始まったばかりなんですね。ちょっとこの先に不安を感じますよ。

さて、3日間の総括をするとしましょう。

選手たちの様子の前に今回一緒に帯同してくれたOB一期生のことを少し。

教え子である大学4年生の彼は、私が一番厳しく接してきた年代の子でもあります。

今は地元行政への就職を目指し、2次試験を控えているとのこと。

そんな忙しい中、サポートを快く引き受けてくれました。

驚くのは、よく気が利くんですね。

私がこうして欲しいと思った瞬間には、「もうその準備は出来てますよ」状態。

カメラを預けて様子を撮ってもらってましたが、そこに写る選手の表情がこれまた良いんだな。

選手たちもすっかり気を許していたんでしょう。

サッカーを通して育っていった彼。3日間の濃密な日々の中で改めて思ったんです。

「こいつ良い大人になってきたなぁ」

やっぱり自信を持って送り出した人間だわと。

またサポートしてくれる機会があるでしょう。その時までの新たな成長を楽しみにしていたと思います。


さて、ここからは子供たち。

本当に良く話を聞き、一生懸命にサッカーを取り組んでくれていました。

いろんな瞬間にたくさんの話もしました。

こんなことがあったんです。

「コーチの夢って何?」

「コーチはブラジル人になることさ」「ほら結構日焼けしてブラジル人っぽくなってきただろう」

「ウソだー!パリスコーチは時々ウソをつくからなー」

そこから、『ついて良いウソ』と『ついてはいけないウソ』の話をしたんです。

子供たちに聞いてみてください。

「ねえ、ついて良いウソとついちゃいけないウソって何?」って。

なるほど!っていう答えが返ってきますよ。

それから、周りのチームが意外とピリピリしていたんですね。

指導者が怒鳴る怒鳴る。だから、『怒る』には何かがなくちゃいけないよって話も。

それがない怒るはダメ。みんなもそうだよって。

これも聞いてみてください。


さて肝心のサッカーの方ですが、目に見える成果はありませんよ。

結果だって後ろから2番目。これが現状なんだな。

初日に対戦した相手と最終日にも対戦をしたんです。

1日目は3-0。最終日は3-2。どちらも勝ちましたが、最終日は内容で圧倒されました。

この3日間で相手は物凄く成長しているんです。サッカーの質を向上させているんですね。

でもうちのチームは言うと、苦悩する部分が増えただけ。

これはね、土台があったか、なかったかの差なんです。

残念ながらうちのチームには土台がない。

だからやりたいと思っても出来ない苦悩と何も出来ないどうすればいいんだという苦悩だけ。

だからほとんどの選手がパニクってました。


初日の彼らを見て私がどういった3日間にしようと考えたかというと、

その土台作りの第一歩を行っていこうということ。

今を逃したらもう本当に遅いでしょう。

土台が出来るまで最低1年はかかると思います。

簡単じゃないとも思います。

でもね、彼らは相手に取られたくなかったから苦悩したし、取りたかったから苦悩したし、

手段を見つけられず苦悩したし、勝ちたかったから苦悩したんです。

相手が強かったから苦悩したんじゃない、サッカーをやろうとしたから苦悩したんです。


私はこの子供たちが可愛くて仕方ない。

可愛いからこそ苦悩を喜びに変えてあげたいと思います。

彼らにMTGで話した会話があります。

サッカー選手になろう。そうすれば自然と強くも速くなるよ。


きっと逞しくさせてあげよう。



by paris