本日のU-15リーグは、0-0の引き分け。

失点の多さが目立っていましたが、何とかここ最近の2試合は無失点。

相手のシュートミスやコントロールが行えなかった時間帯もありましたが、

貴重な体験である「緊張感が持続された試合」を行えたことは成果と言っていいでしょう。

そんな中、気になったのは、選手たちの“心のコントロール”。

今日の試合、明らかにプレーの積極性を欠いた選手がいました。

理由は簡単です。

開始からの数プレーが失敗したのです。

仕掛けようかな、どうしようかな、と思っていた矢先にボールロストを繰り返しました。

そこからは、自分からボールを要求せず、出しての判断に全てを委ねるプレーに終始。

躍動している時の彼のプレーには目を見張るほど素晴らしいものがありますが、

こうなってしまっては、時間の経過とともにその子の弱さだけが露出していきます。

それが何を表わすかと言うと、

サッカー選手になる前にサッカーが終わるということです。

彼が躍動を繰り返す時はどんな時でしょう。

プレーが数度上手くいって、気持ちが高揚し、「今日俺調子いいぜ!」ってなる時です。

プレーが上手くいくか、いかないか。

単純ですが、選手ってそんなもんです。

だからです。プレーが上手くいくまでやればいいんです。

ハーフタイムに選手たちに話したのは、

ピッチの上でサッカー選手になりなさい。ということと、

それをさせてあげるために、11人がサッカーの会話をしながら協力してあげなさい。ということ。

個人が自信のなさに打ち勝つ勇気を持とうとする努力も当然必要ですが、

それを支えてあげる周りのコントロールがそれ以上に必要なのです。


自分の心をコントロール

仲間の心をコントロール


ピッチの上に11人のサッカー選手がいる。

これがビアンコーネが作り上げようとするサッカーです。

後半、彼は幾度かの自分を表現しました。

もう少し周りのコントロールがあれば、もっと早くにサッカー選手になれたでしょう。

最後のワンプレー、私はそれを振り返り彼にこう言いました。

「弱さが露呈したな」

厳しい言葉だっただと思いますが、彼は自分自身の心癖を乗り越えなくてはなりません。

サッカー選手であり続ける70分。

サッカーは、サッカー選手なって初めて、その楽しさや醍醐味を体現できます。

上手さや強さ速さの違いは必ずあります。

でもサッカー選手としてそれと対峙すればいい。

知る・体現する・感じる。

今しか出来ない瞬間。

だからこそ、その70分は、一生分の価値があるくらいなものなのです。


by paris