本日U-15リーグが開幕しました。

選手も指導者もどれだけこの機会を待ち望んでいたことか。

指を咥えるだけでは事足りず、よだれ垂らしながらの虚ろな目で待ち焦がれていました。

それは毎年襲う電力不足の停電期間とお考えください。しかも時期は涙も凍る冬。

全ての生活は、生命維持だけを目的とする行動へと変わるのです。

そこに喜びや感動を感じる余地は一切ありません。

クリスマス・バレンタイン、華やかなイベントも頬を揺らすことなく過ぎ去っていきます。

ただただ、無事に、一日の24時間をゆっくりと進む時計の針を見めながら粛々と過ごすのです。

唯一の楽しみは、暖かな羽毛布団に包まれ、今日という日を忘れる小さな微笑みの夢を見ること。

耐えに耐えるのです。

そうやって過ごしてきた3ヶ月の日々。



そして私たちは今日、グランドの上に立ちました。

キックオフを前に、身体を動かし、ボールを蹴り、試合に向けてのMTGを行いました。

皆さんもお分かりでしょう。

私たちがどんな気持ちでそこに立っていて、どのような時間を過ごしていたのか。

そうです。喜びでしかありません。楽しいのです。ワクワクするのです。

ある選手が言っていました。

「なんか今日は、身体が軽いぜ!」

公式戦は、私たちを強くそして明るくしてくれるのです。



結果の方は、8-0での開幕勝利を飾ることが出来ました。

どのチームも雪による影響で準備不足でしょうから、「よりタフな方が勝つよ」と選手たちには告げていました。

体力的に厳しい時間帯を迎えた後半に6得点が生まれたのも、そうした差が作り出したのだと思います。

体育館練習のみでぶっつけ本番でしたが、そんな中でもよくプレーできていたと評価しています。

ただ、数ヶ月後を見据えると、もう少しチャレンジして欲しい部分が個々に多く見られました。

私たちは本気で優勝を目指さなければなりません。

そして勝ち取るためには、チャレンジを続けなくてはなりません。



指導者は、サッカー選手を作れません。タフさも同様です。

あなた自身の『飢え』がそれらを作り出すのです。

自分の未来を描いて下さい。

その絵を完成させたいと願う『飢え』があるなら、あなたは強くなるでしょう。

今日を思い出しましょう。

グランドに立ったあの想い。それは『飢え』があったからに違いありません。


私はこのチームで必ず優勝を勝ち取ります。



by paris