昨夜は東文で、ヴァイグレ 読響のRS《エレクトラ》(演奏会形式)を聴きました。
滅茶楽しかった!
歌手はエレクトラ役にパンクラトヴァ、クリソテミス役にオークス、クリテムネストラ役に藤村さん、オレスト役にパーペ、エギスト役にリューガマー。
侍女5人は中島さん、小泉さん、清水さん、竹多さん、木下さんとトップクラスの日本人歌手。
もともと2022年2月に読響定期で演奏する予定だったもの(コロナで中止)。
パンクラトヴァ以下、主要役もそのときと同じ。
変わったのは会場とチケット代。
当初S席10,600円だったのが、今回S席25,500円と2.5倍!
演奏時間は休憩無し1時間45分。
読響は16型の大編成。
コンマスは長原さん、サイドに林さん。
昨夜は迫力にすっかり圧倒されました。
歌手は最前列横一列に並んで歌います。
パーペを除いて全員暗譜で演技もします。
第1場は侍女5人の井戸端会議で始まりますが、皆さん上手く、声量にも不満無し。
第2場でエレクトラが登場し、直ぐに長大なモノローグを歌います。
エレクトラ役のパンクラトヴァは、4/7の《指環》ガラではオケに埋もれがちで心配したけど杞憂でした。
声の負担の大きいエレクトラを破綻なく歌います。
ただ、昨年5月ノット 東響《エレクトラ》で同役を歌ったガーキーと比べると、復讐に燃える気持ちをもっと前に出して欲しい気も(贅沢か)。
第3場ではエレクトラの妹クリソテミスが登場。
クリソテミス役のオークスは美しく強靭な声。
2日目もあるのに大丈夫かと心配する位、スロットル全開の歌唱でぞくぞくしました。
オークスはパンクラトヴァを上回る存在感で、姉妹の対話は聴き応え十分。
第4場では母クリテムネストラ(藤村さん)が登場して、母娘の対話を繰り広げます。
藤村さんは《ワルキューレ》のフリッカ役も歌っているので、毒親クリテムネストラ役にも驚きませんが、やっぱり新鮮。
情夫エギストと共に夫(エレクトラの父)を殺害した呵責による、不眠と悪夢の苦しみを歌うところは藤村さんの面目躍如。
第5場の姉妹の対話に続き、第6場で弟オレストが登場。
オレスト役のパーペは譜面台を置いて歌います。
現代最高のバス歌手のパーペは流石に上手い。
エレクトラとオレストの姉弟の感動の再会の場面。
パンクラトヴァが演技している横で、パーペは棒立ちで歌うので違和感があります。
ここはRSの音楽も素晴らしいので、演技無しでも十分感動的ですが。
暗譜で演技もするならそれを徹底して欲しいし、演技抜きで声だけで魅せるというならそれも結構。
昨夜の第6場はどっち付かずで中途半端な印象が否めず。
それを差し引いても、パーペは良かったです。
第7場ではエギスト(リューガマー)が登場。
リューガマーは悪役が似合う声で、出番が短い役にも抜かり無しといったところ。
ラストで復讐を成就したエレクトラが頽れるところも、パンクラトヴァはト書きの通りに演技。
指揮台の手摺りに体を預けるような姿勢で静止。
そして暗転。
感動した。
歌手も凄かったけど、ヴァイグレ 読響も終始良い音で雄弁な演奏でした。
これは4/21の2日目も聴きたい!
ということで、チケット取りました。
1階中央ブロックはほぼ完売ですが、昨日の時点で空席多数。
昨夜も空席が目立ち、ムーティの《アイーダ》と比べると寂しい入り。
指揮者、演目の人気の差を考えると仕方ないけど、全1幕100分強でS席25500円と割高なことも一因。
ともあれ、4/21にもう一度聴きます。