昨夜は東文小で、ダメラウのリート・リサイタルを聴きました。
共演はソフィー・レイノー。
前半はブラ4曲、ベルク《4つの歌》を含む5曲、マラ《リュッケルト歌曲集》(5曲)。
後半はマラ《若き日の歌》より2曲、ワーグナー(リスト編)《イゾルデの愛の死》(Pfのみ)、《ヴェーゼンドンク歌曲集》(5曲)。
楽しかった!
4/13 ブル《ミサ3》の評判がイマイチで心配しましたが、1曲目(ブラ《わが恋は緑》)から確り声が出ていて、調子は全く問題無さそう。
立派な体格で声量もありますが、声の威力に頼らない表現力がこの人の魅力。
ステージには譜面台が置かれていますが、ダメラウが見ることはありません。
2曲目の《調べのように》は好きな曲。
ダメラウは声に深みがあり、ディクションも明瞭。
3曲目《永遠の愛》では感情過多にならず、女性の気持ちを歌い上げていて好ましい。
低音から高音までむらの無い滑らかな歌唱が印象的。
一方、レイノーのピアノは平板で、リート伴奏者として物足りない。
4曲目《失望》でも波の音を模したピアノが今一つ。
続くベルクはどれも暗い夜の曲ですが、ダメラウの繊細な表現が光る。
《私の両眼を閉じて》も《4つの歌》も沈潜した雰囲気がとても良い。
前半の取りは、マラ《リュッケルト歌曲集》。
曲順(指定が無いため演奏者が決める)は、「私の歌を覗かないで」、「優しい香りを吸い込んだ」、「美しさゆえに愛するなら」、「私はこの世に忘れられ」、「真夜中に」。
ダメラウは上手い。
ただ、「私はこの世に忘れられ」ではもっと切迫感が欲しい。
感銘度では2022年3月に聴いた藤村さん(w/広上 京響)に及ばない。
声云々ではなく、藤村さんの詩の表現力が一枚上。
後半はマラ《若き日の歌》より「思い出」(第2集第2曲)と「別離」(第3集第3曲)で開始。
前半あった譜面台は撤去されています。
結局、ダメラウは全曲を暗譜で歌いました。
マラの後は、ワーグナー(リスト編)《イゾルデの愛の死》。
ダメラウは歌わず、レイノーのピアノのみ。
次の《ヴェーゼンドンク歌曲集》の導入としては良いですが、演奏は今一つ。
どうせならダメラウに歌って欲しかった。
最後は、ワーグナー《ヴェーゼンドンク歌曲集》。
マラも良かったですが、ワーグナーでのダメラウの豊麗な歌!
先月4回観た(聴いた)《トリスタン》の感激が甦ります。
アンコールはマーラー2曲。
《若き日の歌》より「ハンスとグレーテ」(第1集第3曲)、《子供の魔法の角笛》より「この歌を作ったのは誰」(第4曲)。
ダメラウは明るく陽気な曲も上手い。