昨夜は東文小で、ルイテン(Lenneke Ruiten)のリサイタルを聴きました。

 

東京春祭歌曲シリーズの一環。

 

共演はヤンセン(Thom Janssen)。

 

前半は、シュベ《春に》D882、《すみれ》D786、シュマ《詩人の恋》op.48。

 

後半はオールRSで、《おとめの花》op.22、《4つの最後の歌》。

 

アンコール3曲もRS。

 

楽しかった!

 

ルイテンは47歳のベテラン、生で聴くのは初めて。

 

ルイテンが得意とするのはモツのオペラですが、リートも上手い。

 

よくコントロールされた透明感のある声。

 

オペラ歌手らしく表現力も豊かで、歌が素直に入ってくる。

 

美しいドイツ語のリートを聴けて幸せ。

 

シュベの2曲は曲自体が天国的に美しいのですが、ルイテンの歌も負けてない。

 

伴奏のヤンセン(Thom Janssen)は高齢のピアニスト。

 

淡色な味わいがシュベに合ってます。

 

ただ、もっと色彩感のあるピアノのほうが、ルイテンの声の美しさが引き立つ気も。

 

アメリングの伴奏をしていたルドルフ・ヤンセンと繋がりがある人かと思ったけど、綴りが違いますね。

 

ルドルフのほうはRudolf Jansen。

 

シュマ《詩人の恋》をソプラノが歌うのは珍しい。

 

表現が劇的過ぎず、弱音が滅茶美しい。

 

第4曲(Wenn ich in deine Augen seh’)の"Ich liebe dich!"には痺れた。

 

第7曲(Ich grolle nicht)もパドモアのようなやり過ぎ感が無く、聴き疲れしない。

 

後半はオールRS。

 

《おとめの花》は少女を4種の花に例えた、フェリックス・ダーン(Felix Dahn)の詩に曲を付けたもの。

 

《詩人の恋》も《おとめの花》も男性視点の曲ですが、違和感はあまり無い。

 

第3曲「きづた(Epeu)」が特に美しい歌唱でした。

 

《4つの最後の歌》は大好きな曲。

 

満足できる歌唱は滅多に聴けませんが、昨夜は良かった。

 

第1曲「春(Früling)」での高音のコントロールはまずまず。

 

第2曲以降はルイテンは文句無しですが、ヤンセンのピアノが惜しい(ミスタッチも散見)。

 

第3曲「眠りにつくとき(Beim Schlafengehn)」でのPf独奏、第4曲「夕映えのなかで(Im Abendrot)」の歌が終わった後の長い後奏も今一つ。
 

アンコールは3曲。

 

オールRSで、《明日》、《献呈》、《夜》。

 

ルイテン、明日のディオティマのシェーンベルク弦四全曲公演でもう一度聴けます。

 

ルイテンが歌うのは、弦四2(ソプラノと弦四版)1曲だけですけど。

 


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