昨夜は新国ワーグナー《トリイゾ》初日を観ました。
滅茶楽しかった!
トリスタン役はニャリ(Zoltán Nyári)、イゾルデ役はキンチャ。
題名役2人は共に代役(当初はケールとヴェストブルック)。
ブランゲーネ役は藤村さん、マルケ王役はシュヴィングハマー、クルヴェナル役はシリンス。
演出はマクヴィカー。
ピットには大野 都響。
13年振りの再演で、当時の指揮も大野さん(オケは東フィル)。
2018年に新国の芸術監督に就任したときから再演を希望していたそう。
最近ずっと好調をキープしている都響。
大野さんの再演への意気込みと相俟って、昨夜は初日と思えない完成度。
第1幕の前奏曲から、艶やかで官能的なサウンドがピットから立ち昇ります。
定期で聴く都響の弦と変わらない美しさ!
その後も陰影に富んだ演奏で、長大なドラマを最後まで牽引。
歌手も全員良かった!
トリスタン役のニャリはハンガリー出身のワーグナー歌手。
全然知らない人ですが、喉を詰めず、発声に無理がないのは好印象。
最後まで失速せず、第3幕の長大なモノローグを歌い切りました。
イゾルデ役のキンチャは2019年 新国《タンホイザー》のエリーザベト役を聴いてます。
突き抜けた感じはしないですが、第1幕の怒りから、内に押し殺す想い、第3幕の「愛の死」まで、終始没入感のある演技と歌唱でした。
主役二人以上に良かったのが、藤村さん、シュヴィングハマー、シリンス。
第1幕での藤村さんは主役のキンチャを食う位の存在感。
第2幕のブランゲーネの「見張り歌」には感動しました。
シュヴィングハマーはバイロイト音楽祭の常連。
出番は少ないですが、第2幕第3場のマルケ王のモノローグで美声を堪能。
シリンスは何度も聴いてます。
何を歌っても上手く、安定感は比類なし。
マクヴィカー演出は、夜の世界と昼の世界を象徴的に描いた美しいもの。
3/29(金)にもう一度観ます(楽日)。