明日の読響定期は凝ったプロで楽しみ。

 

ジャコ指揮で、プロコ《3つのオレンジへの恋》組曲、ラヴェル Pf協、プーランク《模範的動物》、ヴァイル2。

 

何れも1920-1940年頃の作品ですが、テーマは不明。

 

興味深いのは、プロコがパリでラヴェル、プーランクと会っていること。

 

プロコ《オレンジ》は1919年に米国で完成したオペラ。

 

1920年にパリを訪問した際、ストラヴィンスキーの紹介でラヴェルに会ってます。

 

オペラ《オレンジ》の管弦楽組曲は1924年完成。

 

1931年には欧州各地でプロコの特集演奏会が組まれ、パリにも再訪。

 

その頃、プロコは左手協、Pf協4&5を作曲してますが、同じ頃ラヴェルも左手協とPf協を書いてます。

 

プロコはパリで6人組の音楽も聴いたとか。

 

プーランクとは面識もあり、彼の別荘にも招待されてます。

 

Pf協5を書き上げた後、プーランクに断片を聴かせて驚かせたという話も。

 

プーランク《模範的動物》は、ヴィシー政権時代の1940-1941年に作曲。

 

ただ、プロコはラヴェルもプーランクも作品はあまり評価していなかった模様。

 

ラヴェルの左手協は退屈な曲、プーランクの《牡鹿》は軽薄な作品とばっさり。

 

「彼はなぜ自分がこうしたフランスのあたらしい音楽に当惑するのか、わからなかった。ストラヴィンスキーが彼らを認めていることにも納得がいかず、自分がディアギレフから距離を置かれている気もした。」(菊間史織『プロコフィエフ』音楽之友社、p.74)

 

当惑しながらも、彼らの音楽が刺激になったことは間違いなさそう。

 

一方、ヴァイルはユダヤ系ドイツ人で、米国に移住する前にパリに亡命。

 

パリ亡命時代に書いたのが、交2(1934年初演)。

 

プロコとヴァイルに接点があったかは分かりませんが、ヴァイルの交2はプロコっぽい響きも。

 

二人がパリで会っていたら面白いことになっていたかも。

 

そんな妄想を掻き立てる、明日のプロです。

 


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