昨夜はサントリーで、山田 読響を聴きました。

 

3月末で首席客演指揮者を退任する山田さんが振る、最後の定期。

 

曲目はバル《弦チェレ》、休憩を挟んで、武満《ノヴェンバー・ステップス》とベト2。


後半は武満《ノヴェンバー・ステップス》初演時のプロを再現した格好。

 

演奏は滅茶楽しかった!

 

この日のポイントは楽器の舞台配置。

 

バルと武満は弦を2群に分け、左右に配置するようスコアで指定されています。

 

ベト2にそんな指定はありませんが、山田さんはベトも2群に分けたオケで演奏。

 

山田さんの最後の定期なので、好きにさせたということか。

 

バル《弦チェレ》は、左右2群の弦(G1のコンマスは林、G2のコンマスは戸原)、指揮者の前にPf(長尾)、隣にHp(景山)。

 

Pfの後にCel、Hpの後にXyl(西久保)。

 

その外周にTimp、その他の打楽器。

 

本当、カッコいい曲だ。

 

緻密な響きは録音でも聴けますが、その仕掛けを見て楽しめるのは実演ならでは。

 

読響の集中した演奏が素晴らしい。

 

休憩後、後半を始める前に、山田さんから小澤さんの訃報が伝えられました。

 

武満《ノヴェンバー・ステップス》は、琵琶と尺八を独奏楽器とする管弦楽曲。

 

この日の独奏は、友吉鶴心さん(琵琶)と藤原道山さん(尺八)。

 

指揮者より客席寄り上手に藤原さん、下手に友吉さん。

 

指揮者の前には2台のHpが鎮座し、ワクワクする配置だ。

 

武満らしいオケの響きで始まりますが、琵琶と尺八が加わると目も耳もそっちに釘付け。

 

幽玄な世界が広がり、楽器は鳴っているのに却って静寂が際立つ感じ。

 

図らずも小澤さんに対する追悼音楽のようでした。

 

初演時の琵琶奏者 鶴田さんの人生を描いた本(佐宮圭『さわり』)があるそうで、是非読んみたい。

 

最後はベト2。

 

既に書いた通り、山田さんはこの曲も2群に分けて演奏。

 

弦は左右に1st、左右にVa、中央に2nd、その外側左右にVc、同じくCb。

 

変則(というより変態)配置を楽しむように、オケが演奏しているのが良い。

 

16型で分厚いのに、音が生き生きしている!

 

中央の2ndトップの川口さんと外園さんが滅茶楽しそう。

 

下手G1のVaトップの鈴木さんも終始笑顔。

 

ベト2を2群に分けて演奏する音響効果は判然としなかったけど、それが奏者の自発性を引き出していたなら奏功したといえそう。

 

正直、聴く前はベト2に期待してなかったけど、ちょっと感動しました。

 

こういうことがあるから、生で聴く音楽は楽しい。

 

先月聴いたヴァイグレとの定期と名曲が今一つだっただけに、昨夜は大いに満足しました。

 


にほんブログ村