今夜はサントリーで、カーチュン 日フィルを聴く予定。
曲目はチナリー・ウン《グランド・スパイラル》、プーランク 2台Pf協、マクフィー《タブー・タブーアン》、ドビュ《海》。
2曲目と3曲目の順番が変更されました。
テーマはアジアと西洋音楽の邂逅。
カーチュンらしい凝った選曲で、今月一番楽しみにしていたプロです。
チナリー・ウン(Chinary Ung)は、1942年カンボジア出身の米国人作曲家。
作曲の師はヴァレーズに学んだ周文中(Chou Wen-chung, 1923-2019)。
ウンのドラマティックな音楽人生については、彼の公式サイトに詳しく書かれています。
《グランド・スパイラル》は1990年に作曲した吹奏楽作品を管弦楽曲に書き直したもの(約12分)。
副題は《砂漠の花々が咲く》(Desert Flowers Bloom)。
プーランクとマクフィーの2曲はどちらも2台Pf協。
Pf演奏は児玉麻里&桃姉妹。
プーランク(1899-1963)の2台Pf協は、ガムラン音楽に触発された美しい曲(約19分)。
マクフィー(Colin McPhee, 1900-1964)はカナダのモントリオール出身。
ガムラン音楽に取り憑かれ、1930年代にバリ島に移住する程の入れ込みよう。
《タブー・タブーアン》はミニマル音楽を先取りしたような曲(約20分)。
今回カーチュンが紹介してくれて大変嬉しい。
最後はドビュ《海》で、説明は不要(約23分)。
ドビュッシーも1889年のパリ万博でガムランを聴いてる筈ですが、プーランクやマクフィーと違い、ガムラン音楽自体には特段の関心を示さなかった模様。
ところで、マクフィーもガムランそのものを楽器として使った曲は書いてません。
《タブー・タブーアン》でも、彼が「核ガムラン」(nuclear gamelan)と呼ぶ2台Pf/Celst/Mar/Gloの楽器セットを使用。
ガムランを楽器として使った曲があれば聴いてみたいです。
インドネシアの作曲家が書いてそう。