来年3月に読響がプーランクの《典型的動物》を演奏します。

 

原題は"Les animaux modèles"。

 

日本語では《典型的動物》、《模範的動物》と訳すことが多い。

 

読響は前者を採用。

 

でも、どちらも直訳で意味不明。

 

この曲はラ・フォンテーヌ(Jean de la Fontaine)の『寓話』から6つの話を選んで作曲したもの。

 

これにオープニングの「夜明け」とフィナーレの「昼の食事」を加えた、全8曲のバレエ音楽です。

 

第1曲「夜明け」 (Le petit jour)

第2曲「熊と2人の仲間」(L'ours et les deux compagnons)

第3曲「アリとセミ」(La Cigale et la fourmi )

第4曲「恋するライオン」 (Le Lion amoureux)
第5曲「中年男と2人の愛人」 (L'Homme entre deux âges et ses deux maîtresses)
第6曲「死神ときこり」 (La mort et le bûcheron)
第7曲「2羽の雄鶏」 (Le deux Coqs)
第8曲「昼の食事」 (Le repas de midi)

 

バレエ版(全8曲)から第2曲と第3曲を除いた全6曲の組曲版もあります。

 

寓話とは、擬人化した動物を主人公にした教訓的な物語のこと。

 

これで漸く"Les animaux modèles"の意味することが理解できます。

 

でも、適当な訳語が思い付かない。

 

いっそ《寓話》で良いんじゃなかろうか。

 


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