来年はマラ10クック補筆版を実演で聴く機会が複数。
1/8に寺岡 新響、2/23にインバル 都響で聴く予定です。
マラ10クック補筆版は、1959年にBBCがクックに補筆作業を依頼、翌年12月19日、補筆版の協力者でもあるゴルトシュミット指揮フィルハーモニア管により世界初演。
クック補筆版には3つの稿があります。
初演の補筆版がクック版第1稿。
1963年、未公表の草稿44ページがクックに提供される。
これに基いて改訂されたのが、クック版第2稿(1964年初演)。
1966年から、マシューズ兄弟が補筆版の改訂に参加。
1972年、クック版第3稿が完成(同年初演)。
クックは1976年に亡くなり、第3稿がクックが手掛けた最後の改訂になりました(最終稿)。
クックの死後も改訂作業は続きます。
クック版第3稿はクックが亡くなった1976年に出版されましたが、1989年に新たな研究成果を反映した第3稿が出版されます。
そこで1976年の出版譜をクック版第3稿第1版、1989年の出版譜をクック版第3稿第2版と呼んで区別しています。
クック補筆版と一口で言っても、これだけ色々な稿があるということ。
マラ10補筆版はクック版以外にも色々あり、聴き比べする楽しみは尽きません。