昨夜はTOCで、バスティアン AYOを聴きました。
曲目はグリンカ《ルスラン》序曲、ストラ《火の鳥》(1919)、マラ4(w/トイシャー)。
トイシャー目当てでしたが、楽しかった!
AYOはアジア各国の若者が集まり、3週間のリハーサル・キャンプと3週間のツアーを行う教育プロジェクト。
AYOの創設者で指揮者のパンチャスが2020年12月に亡くなり、今年からバスティアンが首席指揮者に就任。
2019年のツアーでも東京公演初日に指揮しましたが、そのときは聴けず。
イケメンでタイトなスーツ姿は、ちょっとウルバンスキに似てる。
オケは16型の対向配置。
多国籍のアマオケですが、今年のAYOは上手い。
弦はもちろんですが、金管に安定感があって吃驚。
一番良かったのは、マラ4。
TOCで聴く16型のマラ4は快感。
第1楽章は豊麗な音でよく歌います。
Hrが上手い。
第2楽章のコンマス(フィリピン人男性)ソロのアクセントは結構鋭い。
アンサンブルの纏まりは上々。
第3楽章の繊細を極めた弦楽合奏が美しい。
木管も好演。
第4楽章で目当てのトイシャーが登場。
相変わらずの美声で天国的な歌唱ですが、ヴィブラートがちょっと気になりました。
もっとトイシャー聴きたいと思っていたら、アンコールでマラ《リュッケルト》より「美しさゆえに愛するのなら(Liebst du um Schönheit)」を歌ってくれて嬉しかった。
《リュッケルト》なら「私はこの世に捨てられて(Ich bin der Welt abhanden gekommen)」を聴きたかったですが、アンコールには暗過ぎるか。
前半のグリンカ《ルスラン》はアンサンブルが乱れたり、管にミスが目立ったりと些か残念。
ストラ《火の鳥》ではAYO本来の力を発揮して、キレのある演奏を披露。
その一方で、弱音での繊細な表現にも不足しない。
「カスチェイの踊り」では若いエネルギーが爆発し、「子守歌」では一転して精妙なカンタービレを聴かせます。
バスティアン、良い指揮者かも知れない。