昨日はパレスで、ヴェルディ《リゴレット》を観ました。
滅茶楽しかった!
《リゴレット》は救いのない悲劇ですが、話の展開が早く、ヴェルディの音楽も素晴らしい。
歌手はリゴレット役にフロンターリ、娘ジルダ役にトロシャン、公爵役にリヴァス、殺し屋スパラフチーレ役に妻屋さん、妹マッダレーナ役に清水さん、モンテローネ伯爵役に須藤さん。
第1幕冒頭のモンテローネ伯爵が呪いの言葉を浴びせる、伏線を敷くところはまずまず。
リヴァスが歌う「あれかこれか」も突き抜けた感じはない。
モンテローネ伯爵の呪いの場面もインパクトが弱い。
その後、リゴレットは殺し屋スパラフチーレと出会う(これも伏線)。
リゴレットのモノローグ~父娘の二重唱~ジルダと公爵の二重唱~ジルダのアリアは、もう最高!
リゴレット役のフロンターリは、世界的なヴェルディ・バリトン。
惚れ惚れする声です。
ジルダ役のトロシャンは、2019年11月の新国《ドン・パスクワーレ》にも出演。
今回も期待通りの歌唱と演技。
純朴で一途なジルダのイメージに合ってました。
リヴァスも「あれかこれか」は普通でしたが、尻上がりに調子を上げた印象。
好色で情熱的な公爵役に填まってました。
ピットのベニーニ 東フィルも間然する所がなく、これぞヴェルディという感じ。
第1幕が終わったところで休憩30分。
第2幕もフロンターリとトロシャンが好調。
誘拐された娘を探すリゴレットが怒りを爆発させ、やがて哀願する場面はフロンターリの独壇場。
父娘が再会した後の二重唱も感動的で、舞台に引き込まれます。
第3幕は酒場のベッドで戯れる、公爵とマッダレーナ。
リヴァスが「女心の歌」を伸びやかに歌います。
酒場の外で中の様子を伺う、リゴレットとジルダ。
舞台美術はシンプルですが、4人の表情がよく分かります。
そして、ヴェルディが書いた有名な四重唱。
リヴァス、清水さん、フロンターリ、トロシャン、良いアンサンブルでした。
いよいよ嵐の中の惨劇が始まります。
音楽が緊迫する中、男装のジルダが公爵の身代わりとなって、スパラフチーレとマッダレーナに殺害されます。
ヴェルディの音楽が効果的で、ベニーニ 東フィルも上手い。
公爵殺害を依頼したリゴレットが死体の袋を引き取り、復讐したと喜んでいるところへ、例の「女心の歌」が舞台裏から聞こえます。
ここは分かっていても、ぞっとします。
驚いたリゴレットが袋を開けると、そこには瀕死のジルダ。
父娘の二重唱の後、ジルダは息絶え、リゴレットは「あの呪い!」と叫んで崩れ落ちる。
話も音楽もあっという間で、音楽劇として本当よく出来てます。
6/3(土)の楽日にもう一度観ます。