別宮貞雄(1922-2012)は日本が誇る交響曲作家だと思う。
3番には《春》という副題が付いてます。
1983年にNHKに委嘱されて書いた《祝典序曲》を第1楽章とし、その後第2、第3楽章を作曲。
こうして、1984年別宮61歳のときに3番が完成。
別宮曰く、「この曲は、素朴な意味で私が最も幸福だった頃の作品である。」
正に人生の《春》。
第3楽章には、「人は踊る」(人々は浮かれ出す)とあります。
奇しくも、1983~1984年はバブルの入り口。
「人は踊る」って、実に象徴的。
バブルは別宮の生活にも影響します。
この頃、別宮の父親(別宮貞俊、元住友電工社長)の遺産を処分する目処が立ち、生活に余裕ができたそう。
お蔭で商業音楽に身を削られることなく、芸術音楽に没頭できるようになったと回想してます。
ということで、別宮の3番はバブル時代と切り離せません。
今週1/14に湯浅 新響で聴けますよ。