昨夜はミューザで、ノット 東響のRS《サロメ》(演奏会形式)を聴きました。

 

ノット 東響のRSプロジェクトの第1弾。

 

最高に楽しかった!

 

休憩無し100分があっという間。

 

演奏会形式なので、セットは皆無で、ステージには椅子が数脚。

 

楽譜を置いて棒立ちで歌うスタイルではなく、歌手は全員暗譜で歌い、演技もします。

 

標題役のグリゴリアン(Asmik Grigorian)が凄かった。

 

1981年生まれの41歳と思えない美貌、オケの前で歌うことを物ともしない突き抜けた声。

 

人の声を聴いてゾクゾクするのは、久し振り。

 

ヨカナーン役のトマソン(Tomas Tomasson)はアイスランド生まれながら、ワーグナー等のドイツ・オペラで活躍する実力派バスバリトン。

 

井戸に閉じ込められていて、サロメが外に出しますが、井戸の場面ではミューザのP席とRA席の間で歌います。

 

第1幕で井戸から(P席から)トマソンが歌うと、ホール一杯に堂々たる声が広がります。

 

この人も凄い。

 

グリゴリアンとトマソンという2人を得て、最後までワクワクしながら聴きました。

 

ヘロデ役のヴェイニウス(Michael Weinius)、ヘロディアス役のバウムガルトナー(Tanja Ariane Baumgartner)は普通に上手い。

 

なお、グリゴリアンとトマソンは主にステージの下手(指揮者の左側)、ヴェイニウスとバウムガルトナーは上手(右側)で歌います。

 

海外招聘組と比べて、日本人歌手はちょっと残念。

 

直前にナラボート役の鈴木さんが体調不良、兵士1役の髙崎さんとユダヤ人4役の糸賀さんがコロナで降板。


当初ナザレ人2を歌う予定だった岸浪さんが、ナラボート役を兼任するという急場凌ぎの代役。

 

急遽の代役をよく歌ってくれましたが、グリゴリアンの相手役には物足りない。

 

井戸のヨカナーン以外、全員日本人の第1場は正直、どうなるかと思いました。

 

日本人歌手では小姓役の杉山さんが良かった。

 

ノット 東響はオペラのリミットを外し、容赦なくオケを鳴らします。

 

通常のコンサートで聴く、ノット 東響の音そのもの。

 

第4場の「7つのヴェールの踊り」ではサロメは舞台袖に引っ込み、音楽だけ。

 

ゴージャスで美しいRSの音楽を存分に味わえるのは、演奏会形式の醍醐味。

 

背徳的でスキャンダラスな作品ですけど、凄いものを聴いたという満足感が半端ない。

 

明日11/20(日)、サントリーでもう一度聴きます。

 

ミューザもサントリーも、奮発してS席を取って良かった。

 


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