昨夜はサントリーで、リットン 都響のB定期を聴きました。
曲目はマクティー《タイムピース》、バーンスタイン《セレナード》(w/金川)、コープランド3。
席替えして迎える、今シーズン初めてのB定期。
コンマスは四方さん、隣に渡邊さん。
楽しかった!
1曲目のマクティーは吹奏楽版しか聴いたことがなく、オケ版は初めて。
リズム反復による8分程度の曲。
素っ頓狂な音型が執拗に繰り返され、耳に刷り込まれます。
ミニマル風の劇伴音楽といった感じで、嫌いじゃない。
リットン 都響はパーカスを中心に緻密な演奏。
バーンスタイン《セレナード》は、副題に“プラトン『饗宴』による”とあります。
英語では、“after Plato's Symposium”。
今は討論会、座談会の意味で使われるシンポジウムですが、原義は古代ギリシアの饗宴なんですね。
全5楽章、各楽章にギリシアの哲学者の名前が付けられ、バーンスタインの衒学趣味が出てます。
愛をテーマにしたシンポジウムが最後は賑やかな酒宴で幕、といったところか。
愛の歌の第4楽章、狂乱の宴と化す第5楽章が聴き物。
この曲は、昨年4月に原田 東響(w/服部)、2018年1月にも広上 N響(w/五嶋)で聴いてます。
昨夜のリットン 都響(w/金川)が断然良かった。
何といっても、金川さんが素晴らしい!
技巧が冴え渡り、音色の変化も自在で、とにかく聴いていて心地良い。
第5楽章のジャジーで艶めかしい演奏も、実に魅力的。
リットンも聴かせどころをよく押さえてます。
ソリスト・アンコールは、バッハ無伴奏ソナタ3番からアレグロ・アッサイ。
駆け抜けるような爽やかさが印象的。
リットンは2015年6月に都響とガーシュウィン Pf協を弾き振りした後、アンコールにモンクの《ラウンド・ミッドナイト》を演奏しました。
金川さんとリットンのデュオも聴いてみたかったな(コープランド3で使うため、Pfはステージにあった筈)。
コープランド3は、バーンスタインがカットした箇所(第4楽章)を復元した版での演奏。
この曲に限らず、コープランドの曲には郷愁を誘うものがあります。
リットン 都響はリズムにキレがあり、コープランドらしい情感にも不足無し。
ステージ近くで好きな曲を浴びるように聴けて、幸せ。
《市民のためのファンファーレ》を引用した、第4楽章冒頭。
滅茶カッコいい。
後半、ダンサブルな音楽が突然、不協和音の轟音で断ち切られるところも迫力十分。
鳥の囀りのような木管が続きますが、中川さんのpiccが良い音。
最後は鉄床(かなとこ)を叩く音が響き渡る中、輝かしいクライマックスで終曲。
昨夜は鉄床の音が大人しく、その点だけが残念。
プログラムの楽器編成には「アンヴィル」とありますが、どんなハンマー台を使ったのかな。