今日の午後は芸劇で、TKWOの定演を聴きます。
来シーズンから、定演の会場がなかのZEROに移るため、芸劇では最後の定演です。
飯森さん指揮で、ウィリアムズ《献呈序曲》、リード《アルメニアン・ダンス》、長生淳《喜色満海》、チェザリーニ1《アークエンジェルズ》。
ウィリアムズ《献呈序曲》はファンファーレに続く、素朴な学生歌が良い。
インディアナ州のエヴァンズビル大(University of Evansville)の学生歌とのこと。
後半はマーチ風に盛り上がり、如何にも吹奏楽の曲という感じ。
リード《アルメニアン・ダンス》は、言わずと知れた吹奏楽の傑作。
アルメニアの民謡・舞曲をモティーフにしており、コミタス(1869-1935)が収集した曲が使われているらしい。
コミタスは、第1次大戦中に起きたオスマン帝国(トルコ)によるアルメニア人虐殺の生き残り。
1915年に逮捕されてキャンプに移送されますが、奇跡的に生き残りました。
しかし、精神に変調を来して、精神科に入院。
病状は改善せず、パリの病院に移るも、1935年にパリで客死。
リードの曲はコミタスが収集した民謡・舞曲を使ったというだけで、アルメニア人虐殺とは直接関係はありません。
曲自体はハチャみたいに派手で濃厚な曲ですが、聴く度に悲劇の作曲家コミタスのことを連想してしまいます。
長生《喜色満海》はTKWO委嘱作品で、今日が初演。
海がテーマということで、どんな曲か楽しみ。
チェザリーニ《アークエンジェルズ》は、全4楽章 約40分の大作。
各楽章にはガブリエル、ラファエル、ミカエル、ウリエルという名前が付けられ、各天使の性格が音化されてます。
第1楽章からド派手に盛り上がり、穏やかな第2楽章を経て、エネルギッシュな第3楽章と続きます。
第4楽章は静かに始まり、徐々にビルドして、最後は吹奏楽史上屈指のクライマックスを築きます。
スカッとすること請け合い。