今日は芸劇で、サラダ音楽祭メインコンサート。

 

プーランク《グローリア》も楽しみですが、一番はNoismのダンス。

 

演目は新作《ザ・チェアマン・ダンス》(曲はアダムズ)と、金森さんの振付デビュー作《アンダー・ザ・マロンツリー》(曲はマラ5 アダージェット)。

 

アダムズは8/9に原田 東響のカッコいい《アブソルート・ジェスト》を聴いたばかり。

 

《ザ・チェアマン・ダンス》はオペラ《中国のニクソン》を作曲している最中、1985年に作曲したもの。

 

宴席で毛沢東と江青がフォックストロットを踊る場面の音楽です。

 

《中国のニクソン》第3幕前半の音楽と素材は同じですが、オペラの抜粋ではありません。

 

アダムズによれば、

 

“The music is not part of the opera (which is both stylistically and instrumentally quite different from it), but rather a separate response – a purely musical one – to the irresistible image of a youthful Mao Tse-Tung(毛沢東) dancing the foxtrot with his mistress Chiang Ch'ing(江青), former B-movie queen and the future Madame Mao, the mind and spirit behind the Cultural Revolution and the strident, unrehabilitated member of the Gang of Four.”

 

Noismの金森さんは、《ザ・チェアマン・ダンス》がかなり気に入った模様。

 

「本当は創作する時間があまりなかったので、《アンダー・ザ・マロンツリー》だけで行こうと思っていたところ、都響さん側から『できればもう1つ、一緒にできないか』と提案されたのが《ザ・チェアマン・ダンス》でした。大野さんがオープニングの曲にふさわしい、ダンサブルなものをということで提案されたのですが、当初は時間がないから無理だと思っていたんです。でも曲を聴いてみたら、結構ひらめいちゃったんです。(略)もし大野さんが提案された曲が次の冬の公演で使おうと思っている曲と被っていたらお断りしていたでしょう。でも自分の候補の中にはなく、しかも私の好きなタイプの曲で、うまい具合に入り込んできてしまった。『ああどうしよう、気に入っちゃったなぁ』」と。」

「《ザ・チェアマン・ダンス》は勢いよく始まり、エンディングへ向かって様々なものが疾駆し、駆け抜けていくような世界観がある。それでいて、途中スローテンポになったり、ある種の男女のリレーションシップのようなものも見えたりしながら、最後はまるで『時』という名の列車が過ぎ去っていくようなイメージもある。実は最近自分の中でテーマとしているもののひとつに『記憶』や『瞬間』があるんです。生まれて、そして消えていく『瞬間』というものは、根源は舞踊と同じ。生成しては消えていくといった、『瞬間』というテーマとつながるものがこの曲には感じられました。走馬灯のように出来事が現れては消え過ぎ去り、後には何が残ったんだろうという疑問符を残して終わるような、そういう音楽的な構造も、今の自分に響くものがありました。」

 

 

どんなダンスに仕上がっているのか滅茶楽しみです。

 


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