昨夜のはしご後半は、サントリーでノット 東響。
ベルク《3つの小品》とマーラー7番。
マラ7はマラの交響曲中、演奏機会が最も少ない作品の一つ。
マーラーらしいパロディ、アイロニー満載で、唐突感のある終楽章は聴き手を戸惑わせるのに十分。
しかし、近年再評価が著しく、マラの傑作との声も。
昨夜のノット 東響の演奏、熱かった!
この曲は先に第2、第4楽章の2つの「夜の音楽」が完成し、苦しんだ末に第1、第3、第5楽章が作曲されました。
第1楽章は葬送行進曲のように始まり、テノール・ホルン(英国ブラスではバリトン)が序奏主題を吹きます。
昨夜のテノール・ホルンを吹いた外囿さん、上手い!
第1主題を吹いたホルンも上手かった。
その後、夜の帳が下りるかのように、夜の音楽が続きます。
東響の演奏は、陶酔的ともいえる美しさ。
第2楽章は文字通り、「夜の音楽」。
冒頭の第1ホルンの呼びかけ、第3ホルンとの信号音の応答、木管のさえずりは上手かった。
昨夜はホルン隊がよく健闘していたと思います。
それに続くのは、《魔法の角笛》の「死んだ鼓手」からの引用。
コル・レーニョが不気味。
第3楽章は「影のように」とあるスケルツォ。
真夜中に亡霊たちが踊るワルツのよう。
スケルツォを挟んで、第4楽章は2つ目の「夜の音楽」。
これまでの楽章と異なり、マンドリン、ギターを伴う美しいセレナード。
夢うつつの音楽が鳴っているよう。
マンドリンは音が小さい楽器ですけど、席のせいか、意外な程よく聴こえました。
最後は、問題の第5楽章。
夢うつつの状態は、冒頭のティンパニで覚醒します。
と思ったら、いきなり《マイスタージンガー》の引用。
う~む、一体これは何なんだ。
そこから音楽は素っ頓狂に明るく、目まぐるしく展開します。
もう何だか訳が分からない。
東響はノットの棒を信じて、只管に音を出している感じ。
その献身さには、素直に胸を打たれます。
聴いている方は、ジェットコースター感覚で身を委ねる感じ。
前半のベルクは、大編成で滅多に演奏されない作品。
演奏時間20分と短いですが、凝縮感が半端ない。
第3曲でマラ6と同じハンマーを使用。
ただ、マラ6のようにこれ見よがしでなく、オケに溶け込むような音。
今日のミューザでの演奏も聴きたかったな。