何もしない」。

言葉にすると簡単ですが、実際にやってみると驚くほど難しいものです。

私は資産運用をオルカン(全世界株式インデックスファンド)の自動積立だけにしています。一度積立設定を済ませてしまえば、毎月決まった日に淡々と買い付けてくれます。私がすることは何もありません。

投資を始めた頃は、毎日のように株価を見ていました。円高になれば気になり、円安になれば気になり、暴落のニュースが流れれば落ち着かず、逆に株価が上昇すればもっと買った方がいいのではないかと思ってしまいます。

しかし、多くの投資の本を読むと、長期・積立・分散投資では「何もしないこと」が最も成果につながる可能性が高いと書かれています。

頭では理解しています。

それでも心は落ち着きません。

「本当にこのままでいいのか。」
「もっと利益が出る投資があるのではないか。」
「今なら売買した方が得ではないか。」

そんな声が心の中から聞こえてきます。

さらにSNSを開けば、「今買うべき銘柄」「〇〇で資産が2倍」「FIRE達成」「億り人」という刺激的な情報が次々と流れてきます。

ニュースでは毎日のように世界経済の不安を報道しています。

金利がどうだ。
戦争がどうだ。
景気後退だ。
円高だ。
円安だ。

見れば見るほど不安になり、何か行動しなければ取り残されるような気持ちになります。

でも、その「何かしたい」という気持ちこそが、長期投資では一番の敵なのかもしれません。

市場は私の感情とは関係なく動きます。

私が慌てて売買したところで、市場が思い通りになることはありません。

むしろ、感情で動けば動くほど失敗する可能性が高くなります。

だから私は、自分との約束を作りました。

積立設定は変えない。

毎日の値動きは見ない。

SNSの投資情報に振り回されない。

ニュースは必要以上に追いかけない。

そして、普段の生活を大切にする。

読書をする。

散歩をする。

仕事をする。

美味しいものを食べる。

十分な睡眠を取る。

そんな普通の生活を続けることの方が、資産運用よりもはるかに大切だと思うようになりました。

投資は人生の目的ではありません。

人生を豊かにするための手段です。

投資のことばかり考えて毎日を過ごすよりも、自分の生活を楽しみながら、資産は静かに育っていく方が私には合っています。

何もしないことは、決して怠けているわけではありません。

誘惑に負けず、自分で決めたルールを守り続けるという積極的な行動です。

それは我慢ではなく、自分を信じることでもあります。

もちろん、これからもSNSやニュースは私を誘惑するでしょう。

「今すぐ動け」と悪魔の囁きを続けるはずです。

それでも私は、その誘惑にすぐ反応するのではなく、一歩引いて考えたいと思います。

長期投資は、派手さはありません。

毎日やることもありません。

だからこそ退屈です。

しかし、その退屈さこそが成功への近道なのではないでしょうか。

何もしないことは難しい。

だからこそ価値があります。

今日も私は、自動積立が静かに働いてくれていることに感謝しながら、自分の人生を生きていこうと思います。