こんにちは。

野菜ソムリエコミュニティー岡山です。

 

岡山の白桃は例年より1週間前倒しでシーズンが進んでいます🍑

お盆も過ぎて、そろそろ終盤といったところ。

今のうちにしっかり楽しんでくださいね。

 

そんななか、浅原園芸組合さんのご厚意により、

選果場を見せていただけることになりました。


組合員さんが心を込めて育てた桃たちが、

こちらで選果されたのち、市場で販売されていきます。


浅原組合選果場は一昨年リニューアルし、昨年から稼働を始めた最新の選果場✨

今回はJA全農おかやまの職員さんにお話を伺いました。

 


  ハイテク×工夫!選果の流れ


選果は、

見た目→重さ→糖度の順に測られたのち、

等級別に分類→箱詰め、という流れで行われます。

 


①見た目


 まず、熟練のパートさんたちが目視で判定していきます。


拝見していて不思議に感じたのが、

どの桃もパートさんの前にあるひとつのレーンに流れていくこと。


見た目を判定したはずの桃の区別がつかなくなるのでは?と思ったのです。



実は、

レーンを流れる容器にバーコードがついていて、

同じレーンの中でも、それを置くエリアと位置をセンサーで感知&記録することで、

どの桃がどのランクなのか判断がつくようになっている、という仕組みでした。


真ん中の桃だけ、違う位置に置かれているのが分かりますか?
置くエリア(赤&黄色テープ)、置く位置(上下)
によって、それぞれの見た目のランクが分かるようになっています。

センサーが当たる様子


②重さ


 見た目の判定が済んだら、そのままレーンを流れて、重さを測る機械の上を通過していきます。



もちろん、それぞれの桃の重さもデータが記録されていきます。

なので、最終的には誰がどんな桃をどれくらい出荷したのか、農家さんへのフィードバックも出来るようになっています。

 


③糖度


 次に光センサーを通り、糖度を測っていきます。



光には糖度に反応する波長があり、近赤外線を当てることで糖度を推測していきます。


あっという間の流れです。


 

④等級分け


 全てのデータが揃ったら、等級別に分類されていきます。

 


以前は、同じ等級に桃が集中し、いっぱいになると、そのたびに選果機がストップしていたそうです。


そこで今回の選果場では、


同じ等級でも桃が溜まる部分を2箇所に増やす


②オーバーフローレーンという、溜まって入りきらなかった桃がもう一度レーンに戻る為の別レーンを設ける


という工夫をして、選果機が止まることなくスムーズに作業できるよう改良されています。

 

真ん中の等級に桃が集中しているが、オーバーフローレーンで戻ってきている様子

 

最後はパートさんの手によって、丁寧に箱詰めされていきます。




  等級はどうやって決まるの?


岡山の白桃は、上からロイヤルキングエースという等級があります。

(糖度の高い順ですが、糖度が基準を満たしても見た目が悪いと等級が下がります)



その基準となる糖度を決めているのが、

JAグループ岡山の桃委員会🍑


毎年、各産地の代表の方が集まり、話し合いによって決定されています。

(例年ほぼ同じ糖度だそうです)


また品種で違うのか伺ってみたところ、

早生(はなよめ、加納岩、日川白鳳)と、

それ以降で基準となる糖度が異なるとのことでした。


すなわち、


🍑岡山県下の白桃の等級は基準が統一されている

🍑早生と中生以降で基準となる糖度が異なる

 

ということですね。



ちなみに、

エースに満たなかった桃を、浅原園芸組合さんでは「天候のいたずら」という表記にしています。


なんて素敵なネーミング!

どんなところにも工夫を凝らす、室山組合長の遊び心に感嘆しました。


桃を乗せてレーンを流れる容器も納得がゆかず、素材からオーダーメイドしたそうです。桃の為にこだわり抜く。

ちなみに白いのは桃のうぶ毛です🍑

 



  おわりに


栽培中の摘蕾、摘花、摘果も途方もない作業でしたが、

選果場でひとつひとつの桃すべてをチェックしていくというのも膨大な作業だと体感しました。


岡山の白桃は、私達が口にするまでに本当に多くの手間と愛情がかかっている果物です。

手にする時は、産地にも少し想いを馳せていただけると嬉しいです。



次回は、来年の桃に向けて!

秋剪定についてお伝えする予定です。

お楽しみに。



藤本


筆者プロフィール

倉敷在住の野菜ソムリエプロ。小学生2人の母。

今回のとても個人的な感想として、小学校でプログラミングの授業が必修となる意味が分かった気がしました。