こんにちは!

野菜ソムリエコミュニティー岡山の藤本です。



先日チラッとご紹介した、桃の企画がスタートします。

その名も【浅原プロジェクト】🍑✨


倉敷市の浅原(あさばら)地区にある桃農家さんの組合である、

浅原園芸組合さんにご協力いただき、

桃栽培の1年を発信していこう!という企画です。

室山組合長(上真ん中)と、組合員・研修生のみなさん

桃が実るまで、そして収穫後に畑でどんな作業が行われているのか。

知れば岡山の桃がもっと好きになるはず😊


ぜひ一緒に見守ってくださいね。



浅原園芸組合概要

桃の産地としての「浅原(あさばら)」は、岡山県倉敷市の北部に位置し、福山の南斜面で気候風土に恵まれた地域です。浅原園芸組合は昭和27年に設立され、現在の組合員数は47名。農家一戸あたりの経営面積が広く、県内でも有数の桃の産地です。独自の栽培技術や出荷・販売体制、また新規就農者への手厚いフォローなどが評価され、令和3年1月に第50回日本農業賞 優秀賞を受賞されました。

 



▶なぜ蕾を摘むの?


さっそくですが、今回見せていただいたのは摘蕾(てきらい)という作業。

桃の花の蕾を摘んでいきます。


どの蕾を残すかを瞬時に見極める職人技✨


果実を間引くことはなんとなく想像がつきますが、蕾から摘むということは知らない方も多いのではないでしょうか。


例えば実が1千個採れる樹なら、

蕾の数はなんとその100倍!10万個以上あります。

それをおよそ1/10まで削っていく、途方もない作業が摘蕾です。



ですが蕾をしっかり摘むことは、桃の出来を左右するとても重要な工程。


なぜなら「花が咲く=樹の持つ養分が開花に使われ、果実に使う分が減ってしまう」から。

なので、花が咲く前が肝心なのです。

 




▶人間がすることは樹の手助け


特に浅原園芸組合さんでは、「樹が自ら蓄えた貯蔵養分をいかに桃の実の生育に使えるようにするか」ということを大切にしています。


「養分は肥料で補えばいい」というものではなく、「樹が持つ力を出せるように人間が手助けする」ことが大事。


そうすることで味が良くなり、

さらには近年の過酷な天候にも順応できる、力のある桃の樹が育つといいます。




そんな浅原園芸組合さんが取り組まれているのが「岡山自然流」という栽培方法。


実は、他の産地に比べて1本の樹に対する蕾の数が多く、摘蕾に手間がかかるのです。

どうしてなのでしょうか。



答えは、樹の剪定にありました。



岡山自然流では「超弱剪定」という、

あまり桃の枝を切らない剪定方法を取り入れています。


枝を切らないので当然枝がたくさん残り、その分、蕾も多くつくという訳です。

岡山自然流では、短い枝(短い状態で生長が止まる)が理想的。

というのも、枝を切られた桃の樹は、

元の状態に戻ろうとぐんぐん枝葉を伸ばします。


そうやって枝葉の生長に養分をたくさん使ってしまうと、どうなるか。


貯蔵養分が少なくなり、桃の樹が自ら実を落としてしまったり、実が大きくならなかったりしてしまうのです。

 


顕著なのが清水白桃で、

超弱剪定を取り入れるまでは5割落果していたものが、1割減でおさまるようになったというから驚きです。

 



この作業は、大きな園地では1月から始まり、桃の花が咲く3月末まで続きます。



今はまだ小さな蕾がついただけの桃の樹が、

これからどのような表情を見せてくれるのか楽しみです🍑


倉敷市街を一望する眺めの良い圃場✨




…とここまでの予定でしたが、

お話をうかがいながら「これは浅原園芸組合さんの特色をご紹介せねば!」と思ったので、後半へ続きまーす😊


次回更新もお楽しみに。





筆者自己紹介
倉敷市在住の野菜ソムリエプロです。
小学生2人を育てる母。
娘は根っからの野菜嫌いですが、どうやらそれも個性らしいと受け止めつつあるこの頃です。