体罰やパワハラで優秀な奴隷を作るシステムは短期的には成果が出るが、、、 | 勝者のフットワーク塾Vfootwork オフィシャルブログ

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オーストラリアでテニスコーチに転身、元高校教師、中屋晋の思考の響き。
日々 テニスに真剣に向かい合っている人に送ります。
フットワークがわかるとテニスが変わる。
勝者のフットワーク塾の教え。出来ないことが出来るようになるテニススクール開講中。

10年前にオーストラリアから帰国し、Vfootworkという技術改善メソッドをもとに、全国でイベントを開催しながらテニスというスポーツに関わってきました。
 
一貫してこだわってきたのは、「技術」を高めるというところです。プレーヤーの持っている技術を改善するためにテニスコーチとしてコートでレッスンをしてきたわけです。
 
実は、この技術へのこだわりが、私が今さまさまな部活動の問題に取り組む流れに繋がっています。
 
日本のスポーツ界には、技術改善に努力する指導と、一方には技術とはもともと持っている才能そのもので変えようがないという考えの指導があります。ですから、日本で多く見掛けるのは、ひたすらゲーム練習を繰り返し、気持ちの駆け引きで優位に立つトレーニングを繰り返す練習です。
 
ゲーム練習というのは、テニスコーチがある程度の競技経験とプレーレベルであれば成立する練習ですが、技術改善を目的とした練習は、その競技についての専門知識が必要になります。この技術の構造はどうなっているのか、この技術はどの戦略に必要なのか、この技術は歴史的にはどう変化してきたのかなどなど。
 
つまり、技術のための練習は、ただテニス競技の経験があって、ゲームの相手が出来るだけではなく、ある程度指導者としてのトレーニングと知見が必要なのです。
 
日本のプロ野球で、選手を引退した翌日から指導者として指導に当たっているパターンがよくあります。選手としての完成度と指導者としての完成度を同じ尺度で認識しているのか、はたまた、スポーツの指導者として期待されているものが少ないのか、、、
 
ここで私はある疑問を抱きました。巷のテニスコーチたちはどんなトレーニング受けてきたのだろう、他の競技はどうなのだろう。日本のスポーツ指導者のトレーニングシステムってどうなっているのだろう。
 
この辺を考えていくと、その先にはどうしても、学校の運動部活動の存在感が目についてくるわけです。現役の高校教師の時代、朝から晩まで部活で汗をかいていたなかで、気持ちのなかでもやもやしていたこともあり、各方面に働きを掛けて動き出したのが初めです。
 
この部活動の問題をクリアにすれば、ただだた長時間練習をすれば強くなるとか言われて、何の技術的アドバイスも受けないで伸び悩んでいる選手を一人でも多く助けることが出来るのではないか、そう思うようになったのです。
 
そして、この問題に関わって実態を調べてみると、日本のスポーツ界の未成熟な部分を目の当たりにすることになりました。例えば、各競技の指導者がバラバラに取り組んでいるので、科学的な指導が浸透していないため、暴言、体罰、パワハラが指導手段として市民権を得ている実態とか。
 
そもそも日本の場合、部活動指導者を含めて、スポーツの指導者育成システムが機能しておらず、無資格の指導者が自分の経験値で指導をしています。全国各地で成果を上げている指導者もいますが、それぞれ職人技で各々勝手やっている状態です。
 
ここのところ日大アメフト部の危険タックルの問題が報道を賑わせているが、運動部のガバナンス体制を疎かにしてきた結果でしょう。残念ながら、これが日本のスポーツ界の実態です。
 
その先にある世界を見ないで日本一だけを目指して、指導者の自己満足の道具として競技をさせられることはあってはならないと思います。体罰やパワハラで優秀な奴隷を作るシステムは、短期的には効果があるかも知れませんが、スポーツをする意味の根本を否定することになります。
 
指導者と選手がきちんと技術と向き合って、競技のパフォーマンスを向上させることを基本に考えて欲しいと切に思います。
 
 
 
そんなこんなで部活動のさまざまな問題に取り組んでいます。